みずほ証券は、モビルスが提供するベクトル検索型チャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」を採用した。1月6日、モビルスが発表した。顧客からの曖昧な表現や類似語による問い合わせに対し、正確かつ網羅的な回答を提示することで、顧客の自己解決率の向上とコンタクトセンターの業務効率化を目指す。Webサイトでは2025年12月26日から同機能を活用した運用を開始している。
みずほ証券は、電話やメール、有人チャットなど多様なチャネルで月間約15万件の問い合わせに対応している。24時間365日の自動応答を可能にするため従来の機械学習型チャットボットも活用してきたが、キーワードの一致を前提とする仕組みのため、表現の違いにより最適な回答を提示できないケースがあった。同義語や表記ゆれに対応するためのデータ整備が運用側の負荷となっていたほか、金融機関として誤った情報を提示するリスク(ハルシネーション)を避けつつ検索精度を高めることが課題だった。
こうした課題を解決するため、みずほ証券は2025年6月から1カ月間にわたり、モビルスの新機能であるベクトル検索型チャットボットのβ版をテスト運用した。その結果、高い検索精度でFAQから正確な回答を提示でき、業務効率化につながることが確認されたため正式導入に至った。
MOBI BOT AI Vector Searchは、テキストを数値化して意味の近さを計算するベクトル検索技術を活用している。これにより、顧客が入力した自然な文章や曖昧な表現からAIが意図を正確に読み取り、単語が完全一致しなくても最適な回答候補を提示できる。また、登録されたFAQに基づいた回答のみを提示するため、生成AIで懸念される誤情報の発生を防ぎ、金融機関に求められる信頼性の高い情報提供を維持できる。
導入の効果として、顧客はストレスなく迅速に自己解決できるようになり、利便性が大幅に向上した。コンタクトセンター側では、定型的な問い合わせがチャットボットで完結することでオペレーターの応対負荷が軽減され、高度な判断を要する応対に注力できる環境が整った。システム運用面でも、これまで必要だった類似質問例の追加学習やメンテナンスの手間が削減され、業務の省力化を実現している。
今後、みずほ証券はチャットボットの正答率向上に継続して取り組み、創出されたリソースを人にしかできない質の高いサービス提供に充てたい考えだ。みずほ証券ダイレクトチャネル事業部の海老原聡氏と林麗子氏は、「多くのお問い合わせにスムーズに対応でき、お客さまはストレスなく自己解決いただけると期待している。有人対応が必要な方につながりやすい窓口を整えることで、より丁寧で細やかなサービスの提供につなげ、CX(顧客体験)の向上を目指したい」としている。