千趣会チャイルドケア、登園サブスクの手続きを完全オンライン化 紙・FAX全廃で負担軽減

2025年12月9日18:28|ニュースCaseHUB.News編集部
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 千趣会チャイルドケアは、サブスクリプション型子育て支援サービス「登園すくすく便」の会員管理システムを刷新した。システム基盤として、スパイラルのローコード開発プラットフォーム「SPIRAL ver.1」を採用した。12月9日、スパイラルが発表した。申込から決済手続きまでを完全オンライン化することで、紙やFAXによる煩雑な事務作業を解消した。保育園や保護者の負担を軽減し、サービスの利用拡大につなげる狙いだ。

 千趣会チャイルドケアは、保育園や学童保育の運営を行う企業。同社が提供する「登園すくすく便」は、園で使用するシーツやタオル、エプロンなどの布用品を保護者に代わって用意し、洗濯して園に届けるサブスクリプションサービスだ。保護者の準備や洗濯の手間を省くとともに、園における持ち物管理の効率化も支援している。

 同サービスでは従来、申込書や同意書、口座振替依頼書などを紙ベースでやり取りしていた。そのため、園では書類の記入漏れ確認や郵送作業、紛失防止のためのFAX連絡といった手間が発生しており、保護者の個人情報を一時的に預かる心理的負担も課題となっていた。また、口座振替手続きにおいても、金融機関からの差し戻しなどで登録完了までに1カ月以上かかるケースがあった。サービス拡大を見据える中で、こうした人手依存や紙中心の運用がボトルネックになると懸念されていた。

 そこで同社は、申込から情報管理、決済手続きまでの一連の業務をオンライン化するため、新システムの構築を決めた。年度切り替え前までの稼働という厳しいスケジュールに対応できる点や、セキュリティ実績などを評価し、SPIRAL ver.1を採用した。

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SPIRAL ver.1でオンライン化した業務プロセス

 新システムは、保護者用マイページ、園向け管理画面、事業者用管理システムの三つの画面で構成されている。保護者はスマートフォンなどから、子供の情報の登録や利用申込、規約への同意、印鑑不要の口座振替手続きまでをオンラインで完結できる。園向け画面では、利用プランに応じた情報の閲覧や、保護者に配布するQRコードの出力が可能になった。

 SPIRAL ver.1の導入により、紙やFAXによる手続きは廃止された。これにより、園や事業部での書類回収、チェック、郵送といった作業が不要になり、事務負担が大幅に軽減された。また、個人情報を含む書類を園が管理する必要がなくなり、セキュリティリスクや心理的負担も解消されている。基幹システムへの手入力作業もなくなったため、入力ミスのリスクが低減し、情報精度も向上している。

 こうした申込プロセスのオンライン化による利便性向上は、登園すくすく便が2025年の「キッズデザイン賞」を受賞する際にも評価されたとしている。今後は、クレジットカード決済や外国語対応など、保護者や園のニーズに合わせた機能拡張に取り組み、サービスのさらなる利便性向上を目指す方針だ。

ニュースリリース