国際サッカー連盟(FIFA)は、2026年開催の「FIFA World Cup 2026」における大会運営の高度化と放送オペレーションの強化を目的に、レノボのニアリアルタイムAI搭載インフラストラクチャプラットフォームを採用した。6月4日、レノボ・ジャパンが発表した。公式テクノロジーパートナーであるレノボのサーバー群やAI主導型ソリューションの導入により、3カ国共催・48チーム参加という史上最大規模となる大会の安定運営と、これまでにない没入感のあるファン体験の創出を目指す。
世界最大のスポーツイベントの一つであるFIFA World Cupは、常時稼働し続けるライブ環境のもとで卓越した運営効率と最先端のテクノロジーを必要としている。特に今回は規模の拡大に伴い、膨大なライブ映像データの処理や、世界中の視聴者へ向けた広範な放送運営を支える強力な演算能力、オンプレミス環境における複雑なエッジコンピューティングの管理が大きな課題となっていた。
選定にあたっては、ライブの本番環境に不可欠な厳しい低遅延要件を満たせる高いパフォーマンスと安定性を評価した。クラウドのみのソリューションでは対応が難しかった高密度かつミッションクリティカルな要件に対し、レノボのハードウェアとAIインフラストラクチャが適合したことで採用に至った。テキサス州ダラスの国際放送センター(IBC)をはじめ、マイアミのテクノロジーコマンドセンター(TCC)やトーナメントオペレーションセンター(TOC)などの統括拠点にシステムを配置し、会場やキャンプ地には200人以上のエンジニアが展開して確実な運営をサポートする。
導入により、スタジアムから送られてくる大量のライブ映像データを「Lenovo ThinkSystem SR635 V3」サーバーなどで管理・処理し、IPTV(インターネットプロトコルテレビ)インフラの遅延を5秒未満にまで大幅に改善する。ほぼリアルタイムでの試合視聴が可能になるほか、関連施設内の1000以上のスクリーンへ10チャンネルを通じて映像を提供し、メディアや審判団がどこからでも全試合へ迅速にアクセスできる環境を整える。また、障害やインシデントの迅速な検知によりサービス中断を最小限に抑えるほか、AIを活用した選手の3Dアバターによるリアルタイムなオフサイド判定視覚化や、主審視点映像のブレを最大50%低減する「レフリービューAIスタビライザー」などの先端技術も実装する。
今後は、レノボのAIファクトリーを用いて構築された次世代ナレッジアシスタント「FIFA AI Proプラットフォーム」を全48チームに提供し、高度な戦術分析へのアクセスを民主化して公平な競技環境の実現に寄与する方針だ。FIFAのテクノロジーディレクターであるナチョ・フレスコ氏は、「今大会は史上最大規模となることから、卓越した運営効率と最先端のテクノロジーを提供することが重要になる。レノボは、ライブの本番環境に不可欠な厳しい低遅延要件を満たすのに欠かせない重要なパートナーだ」とコメントしている。