コイケは、業務の属人化解消と「データの民主化」を通じた組織改革を目的に、freeeが提供する「freee会計」および「freee人事労務」を採用した。1月23日、freeeが発表した。経営情報を全社に公開することで、現場のコスト意識を高め、自律的に課題を解決する組織への転換を図る。中長期的なビジョンとして掲げる、中小メーカーの海外展開を支えるインフラ機能の強化につなげたい考えだ。
コイケは、輸出梱包や国際物流を強みとし、中小企業の海外進出を支援する物流企業だ。国内外で事業を拡大する中、先代社長の急逝に伴い、2020年に小池創氏が代表取締役社長に就任した。当時の組織は、情報が上から降りてくるのを待つ受動的な文化が根付いており、組織の活気が失われていた。また、数字の管理は経営層に限定されており、個別の事業の収益性が不透明であるなど、業務のブラックボックス化が大きな課題となっていた。
小池社長は、かつて先代が掲げていた「任せる経営」を具現化するため、情報の透明性を高める組織改革に着手。その基盤として、2019年にfreee会計とfreee人事労務を採用した。選定にあたっては、データの信頼性とリアルタイム性を評価した。特定の担当者に依存するオンプレミス型のシステムから、誰でも正確かつ迅速に処理できるクラウド環境へ移行することで、属人化のリスクを排除し、業務の透明性を確保する狙いがあった。
採用後の効果として、経理業務の効率化が挙げられる。消し込み作業や仕訳の手間が削減されたことで、決算期に常態化していた残業がほぼなくなり、定時での業務終了が可能になった。余剰時間を活用して、従来は外部に委託していた入金確認業務を内製化。社内で情報を直接管理することで、会計データの精度が向上した。
さらに、事業部長クラス全員にfreee会計のアカウントを付与し、自部門の損益状況をリアルタイムで閲覧できる環境を整備した。従来は詳細な内訳を知るために経理部への問い合わせが必要だったが、会計情報へのアクセスを容易にしたことで、部門長の当事者意識が向上した。内訳を確認できるようになったことで、リース料の相見積もりによるコスト削減や固定費の見直しなど、現場主導の改善活動が活発化した。評価基準を売上から利益へ転換したことも、収益性を重視する意識の浸透を後押ししている。
今後は、貿易と物流の両面から中小企業の海外展開を支えるインフラとしての役割を強化する方針だ。小池社長は、「経営と社員の間に情報格差を生じさせないオープンでフェアな環境がなければ、社員の自律的な判断は生まれない。今後もfreeeのプロダクトを基盤に、情報共有環境を維持し、組織一丸となってサービスの提供を加速させていきたい」と話している。