平安伸銅工業は、自律した組織づくりと経営判断の迅速化を目的に、フリー(freee)のクラウド会計ソフト「freee会計」および「freee申告」を導入した。5月8日、フリーが発表した。経営情報の「情報のブラックボックス」を解消し、リアルタイムでの業績把握を可能にすることで、社員一人ひとりが経営目線で行動できる環境を整備した。
大阪を拠点に「突っ張り棒」のパイオニアとして知られる平安伸銅工業は、3代目代表取締役・竹内香予子氏の就任を機に組織変革に着手した。以前は経営情報が非公開で、部門間の進捗共有も不十分な状態にあり、月次決算の確定までに10〜15営業日を要していた。時間が経過したデータでは現場の改善アクションが遅れてしまうため、数字を「改善の武器」として活用できるリアルタイム経営の実現が急務となっていた。
freee会計の導入にあたっては、銀行データやクレジットカードとの自動連携により経理業務を効率化できる点に加え、数字を単月ではなく推移として捉え、異常値に即座に気づけるドリルダウン機能を評価した。また、Excel連携ツール「freee for Excel」を活用し、会計データに労働時間などの非会計データを掛け合わせることで、生産性を可視化できる点も採用の決め手となった。
導入の効果として、月次決算のリードタイムが大幅に短縮され、現場の熱量が残っているうちに改善策を講じられるようになった。経営情報をフルオープンにしたことで、各部門が自ら収支を確認して施策の仮説を立てる自律的な文化が醸成されている。また、サブKPIとして「人時生産性」などを可視化したことで、異常を発見した際の迅速な意思決定サイクルが確立された。
今後は、可視化されたデータを共通言語としたコミュニケーションをさらに活性化させ、さらなる経営のアップデートを継続していく。竹内氏は、「変わり続けることを変えないという想いを大切にしながら、社員の働き方や経営の在り方をアップデートしていきたい」としている。