SCSKは、社員の専門スキルを評価・認定する独自の「専門性認定制度」において、生成AIを活用した「スキル評価システム」を導入した。システム開発は、住友商事グループの技術専門会社であるInsight Edgeと共同で行った。5月8日、Insight Edgeが発表した。有識者による評価プロセスの一部をAIで代替することで、審査負担の大幅な軽減とタイムリーなスキルの可視化を目指す。
SCSKでは、社員の成長支援を目的として、18職種41分野にわたる専門能力を評価する制度を運用している。従来は、社員の申請書類に基づき各分野の有識者が面談審査を行っていたが、審査員と申請者双方の業務負荷が大きく、年に1度の実施ではスキルの可視化までに時間差が生じることが課題となっていた。
新システムは、AIによるハルシネーション(事実に基づかない情報の生成)や評価バイアスを排除する「多重防御」構造を備えているのが特徴だ。評価プロセスを「品質検証」と「スキル評価」の二段階に分け、入力内容の具体性が不足している場合はAIが追加質問を行うことで、記述の品質を担保する。また、1回のAI推論に依存せず、複数回の並列推論結果を統計的に集約することで、評価の妥当性と一貫性を確保した。
さらに、AIには個別のスキル測定のみを行わせ、合格基準などの総合判定ロジックを隠蔽することで、特定の長所に引きずられて全体の評価が高くなる「ハロー効果」などのバイアスを構造的に排除している。この仕組みにより、人間が審査するのと同様の精緻な評価を実現しつつ、工数の大幅な削減を可能にした。
SCSKは、本システムを通じて可視化されたスキル情報を、適材適所の職務アサインへ即座に活用していく。社員の成長機会を最大化させることで、人的資本経営のさらなる推進に貢献する。