日本ライフライン、Gemini全社展開で現場主導の業務改善を加速

2026年3月31日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 日本ライフラインは、生成AIサービス「Google Workspace with Gemini」を全社に導入した。3月30日、導入を支援した吉積情報が発表した。伴走型支援プログラム「AI Driven Premium」を活用することで、医療機器業界に求められる高度なセキュリティを維持しながら、現場の自発的なAI活用を促進。業務効率化に加え、組織文化のアップデートを図る。

 日本ライフラインは1981年設立のメディカルカンパニーだ。心臓循環器領域を中心に医療機器の輸入、製造、販売を手がけている。同社は高度な安全性が求められる医療現場において、将来的に生成AIの活用が不可欠になると予見していた。

 Google Workspace with Gemini導入の背景には、シャドーAIへの懸念があった。生成AIの有用性が認知される中で、利用を安易に禁止すれば管理の届かない形での利用を誘発し、根本的な解決にならないと判断。そこで、ビジネス利用における高度なセキュリティが担保された同サービスを公式インフラとして提供し、ガバナンスと利便性の両立を目指した。

 パートナー選定にあたっては、吉積情報がGeminiだけでなく「BigQuery」や「Looker」を含むGoogle Cloud全般にわたる深い知見を有していた点を評価した。将来的なデータ利活用まで見据えた提案に加え、単なる操作説明ではなくワークショップ形式で実業務への落とし込みを重視する支援内容が、現場の自律的な活用を目指す同社の方針と合致した。

 導入支援によるトレーニングや質問会の実施後、アクティブユーザー数は約30%増加した。従来のシステム導入にありがちな「覚えなくてはいけない」という受け身の姿勢から、社員が自発的に利便性を感じて活用する文化が醸成されている。

 具体的な成果も多岐にわたる。情報システム部門では、AIの活用方法を解説するショート動画コンテンツ「Gemini 通信」を毎月制作し、その制作プロセス自体にもAIを活用して利便性を社内に示した。マーケティング部門では「NotebookLM」を活用し、膨大な社内資料から必要な情報を瞬時に引き出せる体制を構築。さらに、事務担当者がGeminiとの対話を通じて「Google サイト」を構築したり、IT部門で「Google Apps Script」のコードを生成して通信ログ解析を自動化したりするなど、現場主導の課題解決が進んでいる。

 日本ライフライン情報システム部の蔵上氏は、今後は先行して活用を進めている社員のノウハウを広め、利用の裾野をさらに広げていくことが目標だと話す。最終的にはGeminiを一人ひとりの最高のアシスタントとして定着させたい考えだ。業務が多様化する中で、AIに任せられる部分は任せ、人間はより創造的な業務に時間を割くことで、人間本来の価値が発揮される組織を追求していくとしている。

ニュースリリース