令和トラベル、Geminiで旅行業務を自動化 見積り作成の効率3倍、受注額も向上

2026年2月24日23:43|ニュースCaseHUB.News編集部
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 令和トラベルは、旅行代理店業務の自動化と顧客体験の変革を目的に、Google Cloudの生成AIモデル「Gemini」を採用した。2月24日、Google Cloud Japan Teamが発表した。同社が運営する旅行アプリ「NEWT」において、ツアー情報の生成やオーダーメイド旅行の提案作成など6つの領域でAIを活用し、業務効率化とサービス品質の向上を両立させている。

 令和トラベルは、2021年に創業したオンライン特化型の旅行代理店だ。「あたらしい旅行を、デザインする。」をミッションに掲げ、店舗を持たずテクノロジーを基軸としたサービスを展開している。同社は創業当初から、パッケージツアーの作成や在庫管理、日程表作成といった複雑な業務をソフトウェアで自動化するビジョンを持っていた。限られたリソースで品揃えと価格競争力を維持するためには、高度な自動化が不可欠だった。

 自動化を加速させるため、同社は複数の生成AIモデルを比較検討した結果、Geminiの採用を決めた。選定にあたっては、大量のデータを処理しながらリアルタイムで応答を返すための推論精度と、運用コストのバランスを評価した。また、開発基盤として利用しているGoogle Cloudとの親和性や、Google マップなど他のサービスとの将来的な連携の可能性も決め手になった。

 具体的な活用事例の一つが、オーダーメイド旅行を提案する「NEWTトラベルコンシェルジュ」での見積り・提案書作成だ。顧客の要望に応じたホテルのリストアップからPDF形式の提案書作成までをAIで自動化した。これにより、見積り作業の効率は3倍以上に向上し、受注1件あたりの平均工程数は約30%削減された。接客数の増加に伴い、受注額も1.2倍から1.5倍に伸長した。

 このほか、月間約1万件に及ぶツアータイトルの自動生成や、オウンドメディア「NEWT Magazine」の記事下書き作成、約10万件のツアーデータへの特徴タグ付与などにAIを活用している。さらに、旅程表を元に現地の食事や観光プランを提案する「トラベルプランナー」や、宿泊施設向けの問い合わせ対応ボット「NEWT Chat」も稼働させた。

 これらの開発は、社内のAIチームが主導した。独自の評価指標に基づき、スケジュールの完全性や独自性など4項目で90%以上の評価を獲得するまで改善を繰り返した。小さなプロトタイプから検証を始め、精度と期待値のバランスを見極めながら実装を進める手法で、短期間での多機能リリースにつなげた。

 今後は「Vertex AI」の活用も視野に入れ、複雑な業務を一気通貫で自動化するエージェントの開発に挑戦する方針だ。顧客を深く理解し、最適な旅を提案できる「専属のコンシェルジュ」のような存在を目指す。

 令和トラベル執行役員CPOの麻柄翔太郎氏は、AIが旅行体験のすべてを伴走してサポートする世界を目指していると語る。従来の旅行予約は顧客自身が検索・比較するセルフサービスが主流だったが、NEWTは顧客にぴったりの旅行を提案できる存在へ進化していく。テクノロジーの力で、スマートで感動的な旅行体験をすべての人に届けたいとしている。

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