コスモエネルギーHDが財務と非財務を一体化させたデータドリブンなサステナブル経営を実現

2024年9月9日08:50|ニュースリリース公開日 2024年7月5日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 コスモエネルギーホールディングス(以下、コスモエネルギーHD)が、サステナビリティ推進に必要となる非財務情報(数値化された財務データ以外の企業情報)の収集・管理プロセスをシステム化した。これにより同社は財務と非財務を一体化させたデータドリブンなサステナブル経営に取り組む。7月5日、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが発表した。

 コスモエネルギーHDは、昨今のSDGsやサステナビリティなどの社会情勢を踏まえ、2020年にサステナビリティ推進部を設置し、社長を議長とするサステナビリティ戦略会議を立ち上げ、サステナブル経営について理念体系から整理するなど推進基盤を固めてきている。

 そうしたなかで同社では、非財務指標と企業価値向上の関係を定量的に開示・分析することがサステナビリティ推進における課題となっていた。開示・分析のために必要な膨大なデータの収集・集計は、現場にとって大きなの負担となる。とくにCO2排出量などは、エネルギー使用量など複数のデータから集計しなければならず、これらのデータを連結対象のグループ会社全体でとりまとめ、取締役会に報告するには、準備に3カ月かかる場合もあったという。これらの課題を解決するには、ESG関連データを一元的に収集・集計する非財務情報管理システムの構築を検討することが必要だった。

 コスモエネルギーHDは、中長期的に重要なESG課題8項目を明示し、それぞれに詳細なKPIを設定。各KPIの進捗状況を踏まえて次のアクションを討議できるようにデータの依頼、収集、集計を効率化するべく、非財務情報管理システムの構築にあたり、複数社に提案を依頼した。

 検討の結果、今後の社会的ニーズの変化にも対応でき得る柔軟なプラットフォームの提案などを評価し、EYストラテジー・アンド・コンサルティングに依頼することを決めた。

 2022年にシステム構築を開始し、製造、輸送、販売に至る各工程の情報収集方法を、一つずつひも解いていきました。現在は各情報を集約するデータベースが完成。転記ミスや抜け漏れを防止できるため、検証作業の省力化が実現し、収集から集計プロセスでは、1カ月かかっていた作業が1週間程度にまで短縮することができた。整合性もシステム上で確認できるため、効率化と品質向上が両立でき、3カ月ほど掛かっていた取締役会への実績報告の準備期間も、およそ半分に削減できている。

 システム環境が整ったことから、今後についてコスモエネルギーHD取締役常務執行役員の竹田純子氏は、次のように語っている。

 「非財務情報が可視化され、各指標の目標達成率や事業への影響が共有できれば、株主の信頼獲得のみならず、従業員もサステナビリティを自分ごととして捉え、エンゲージメント向上にもつながると考えている。また、財務への好影響を示すことができれば、サステナビリティ推進が成長の不可欠要素として位置づけられる。データドリブンなサステナビリティ推進により、企業価値向上の好循環を目指していく」

 同社は現在、さらなる機能性向上に向け、BIツール連携によるデータの可視化、収集の自動化にも取り組んでいる。

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データ収集・管理の全体フロー(イメージ)

ニュースリリースURL
https://www.ey.com/ja_jp/news/2024/07/ey-japan-news-release-2024-07-05