コスモエネルギーホールディングスは、グループの経理業務を受託するシェアードサービス会社の決算業務改革を推進するため、ブラックラインのクラウド型経理業務変革プラットフォーム「BlackLine」を採用した。12月18日、BlackLineを提供するブラックラインが発表した。グループ各社でバラバラだった業務プロセスを一元化し、可視化することで、継続的な業務効率化を推進できる基盤の確立を目指す。
コスモエネルギーグループは、原油調達から石油精製、販売、再生可能エネルギーまでを手掛ける総合エネルギー企業だ。現在は中長期ビジョンに基づき、既存の石油事業の収益確保と新領域への投資を両立させる「経営基盤の変革」に取り組んでいる。その一環として、グループ各社の経理や財務などを担うコスモビジネスアソシエイツにおいて、決算業務のデジタル化を模索していた。
従来、コスモビジネスアソシエイツが受託するグループ各社の業務は、事業規模や内容の違いからプロセスが統一されていなかった。業務に必要な情報が散在してブラックボックス化しており、抜本的な業務改革を進める上で、プロセスの可視化と情報の一元化が大きな課題となっていた。
こうした課題を解決するため、国内外の大手企業で豊富な導入実績を持つBlackLineの採用を2025年5月に決定した。採用にあたっては、決算進捗をリアルタイムに把握できる点や、属人化していたナレッジを形式知化して集約できる点などを評価した。また、ボトルネックを特定するための分析情報を収集し、将来的な標準化や自動化につなげるための土台として最適だと判断した。
プロジェクトは2025年5月から開始し、同年9月に「タスク管理」モジュールの稼働を開始した。短期間での導入を実現したことで、早期に可視化のメリットを享受できる体制を整えた。BlackLineの導入により、決算タスクの遅延防止や管理業務の効率化が期待されている。
今後は、BlackLineの習熟度を高めるとともに、蓄積されたデータを活用した業務改善サイクルの確立に取り組む方針だ。現在は、さらに広範な業務効率化を推進するための基盤拡充についても検討を進めている。
コスモエネルギーホールディングス常務執行役員の岩井智樹氏は、「主要子会社の経理業務集約やRPA化などの施策で一定の効果は出ていたが、業務プロセス全体の一部に限定されていた。BlackLineはプロセス全体の課題を的確に可視化できる有益なツールだと考えている。今後は効果的な業務改善サイクルを確立し、業務改革をさらに深化させていきたい」と話している。