ニトリHD、基幹システム基盤をOCIへ刷新 処理性能4倍、需要予測を1時間半に短縮

2026年9月16日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 ニトリホールディングスは、店舗販売や配送関連業務を支える基幹システム基盤をオラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」へ移行した。9月15日、日本オラクルが発表した。主要処理の性能が旧環境比で最大約4倍に向上し、需要予測計算の処理時間を短縮した。繁忙期の安定稼働と事業拡大を支えるIT基盤の確立につなげる。

 ニトリホールディングスは国内外での事業拡大やグローバル展開を進めている。従来の基幹システムは、アプリケーションをオンプレミスの仮想化基盤上で、データベースをオンプレミスの「Oracle AI Database」で運用していた。ハードウェアの保守期限満了や処理能力不足への対応に加え、春の需要期における負荷増大、内製の需要予測計算処理や自動発注処理の長時間化が課題となっていた。

 こうした課題を解決するため、同社は基幹システムの基盤刷新にあたりOCIを採用した。データベース基盤に「Oracle Exadata Database Service」、アプリケーション基盤に「Oracle Cloud VMware Solution」を選定。性能、拡張性、安定性、コスト効率の観点から高く評価した。あわせて事業継続性を確保するため、データベース複製ツール「Oracle Data Guard」を活用し、東京リージョンと大阪リージョン間でデータを継続同期するDR(災害復旧)環境を構築した。システムインフラ刷新プロジェクト全体の推進とアプリケーション基盤構築はSCSKが、データベース基盤の検討と移行はアシストが支援した。

 移行後、主要な処理性能は旧環境比で最大約4倍に向上した。日次で実行する内製の需要予測計算を含む夜間処理は、従来の6時間弱から1時間半に短縮した。従来は計算終了が始業に間に合わない問題を抱えていたが、処理時間の短縮により、翌日の業務開始可能時刻を前倒しできた。データベースの待機イベントも低減し、DR環境への切り替え運用時間は従来の12時間から3時間に短縮した。

 本番稼働後に迎えた2026年春の需要期においても、売上やデータ量の増加に対応しながら安定稼働を継続した。需要期の性能不足によるシステム停止を回避したことで、障害対応に伴うIT部門の負荷軽減に加え、店舗や物流などの現場で発生する業務ロスも抑制した。コスト削減自体を主目的とした刷新ではないが、選定時に重視した価格性能比を活かし、移行後の運用コストは当初見込みの約8割に抑えている。

 ニトリホールディングスCIOの武井直氏は、「当社は事業規模の拡大や顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できる基幹システム基盤を必要としていた。OCIおよびOracle Exadata Database Serviceは当社が重視する性能、拡張性、安定性、コスト効率の観点で高く評価できるものだった。移行後は処理性能の向上、需要予測計算や自動発注などの大規模処理の大幅な時間短縮、春の需要期における安定稼働を実現しており、今後のさらなる成長を支える基盤として活用していく」と話している。

ニュースリリース