野村ホールディングスは、グループ横断でのデータ利活用を推進するため、データクラウドを提供するSnowflakeを採用した。2023年9月7日、Snowflakeが発表した。
野村ホールディングスは、2019年4月にデジタルサービスの開発および企画、DX支援業務、新規事業の探索を軸とする「未来共創カンパニー」を設立し、2022年4月に「デジタル・カンパニー」へ改組した。全社のデジタル戦略を担う組織としてデータ活用を重点施策と位置付け、Snowflakeとグローバル契約を締結した。
採用に際し、マルチクラウド対応、日本語ドキュメントの豊富さ、仮想ウェアハウス機能で他のデータウェアハウス(DWH)に影響を与えない点を評価した。また、他部門でのデータ基盤更改と、新規製品採用の検討時期とも重なり、グループ横断でのデータ利活用を推進可能なSnowflakeの採用に至った。導入、運用に向けて、Snowflakeのプロフェッショナルサービスを利用し、自社でSnowflakeを設計、構築できるスキルを習得した。
2022年2月の本格導入以降、野村證券では自社が展開する複数のスマートフォン向けアプリのデータをSnowflake上に蓄積している。また、金融データの情報プロバイダーであるFactSet社からは国内外の株式にかかる全ユニバースのデータを、データシェアリング機能「Snowflake Secure Data Sharing」でSnowflakeに取り込み、資産管理アプリ「OneStock」で提供している利回り算定に活用している。さらにマーケティング業務の効率化の一環で、「HubSpot」で蓄積した顧客のインタラクション情報等をSnowflake Secure Data Sharingを介し確認するフローも構築した。
野村ホールディングス、野村證券では、Snowflakeの導入前後で人的な運用コストの削減や個別のデータ処理時間の軽減を実感している。データ分析環境が整備され、また改正個人情報保護法で定められた「仮名加工情報」を用いることで、デジタルサービスやプロダクト改善のための顧客インサイトの発見とAIモデルの開発等に取り組んでいる。