LIXILは、顧客体験の向上と従業員の働きやすい環境整備を目的に「Zoom Contact Center」をオンラインショールームに採用した。Zoom Contact Centerを提供するZVC JAPANが5月20日に発表した。
LIXILはキッチンやトイレ、窓など住宅設備・建材を扱い、世界150カ国以上で事業を展開するグローバル企業。2011年に国内主要5社の統合で誕生し、日本の住宅業界をけん引している。近年はDXを本格化し、「仕組みで動く会社」への転換を推進。業務の属人性を減らし、標準化とシステム化を進めることで、より収益性の高い企業体質への変革を目指している。
事業環境の変化として、2020年のコロナ禍により店舗型ショールームへの来館が困難となり、LIXILはオンラインショールームの導入を開始した。顧客が都合の良い時間に予約して相談できる「予約型オンラインショールーム」にはZoom Meetingsを、話を聞きたい時にすぐ通話できる「即時型オンラインショールーム」にはZoom Contact Centerを導入している。
従来の「今すぐ相談」サービスで利用していた他社製品には、画質や音質の不安定さ、適切な専門知識を持つコーディネーターとのマッチングの難しさ、長い待ち時間といった課題があった。これらを解決すべく、2023年にシステムの再検討を開始し、約1年をかけて新システムの選定を進めた。
Zoom Contact Centerを選定した理由は、Zoomの「共にサービスをつくりあげていく柔軟で協調的な姿勢」が決め手となった。LIXILの要望を反映した機能アップデートが迅速に行われたことや、今すぐ相談に最適化された独自UIの開発が可能だった点も評価された。Zoomの開発支援サービス「PSO(Professional Services Organization)」の活用で、必要な機能を最適な形で組み込むことができた。
導入プロセスでは、社内関係者の理解を得ながら段階的にシステム移行を進め、2024年秋にZoom Contact Centerの本格運用を開始した。API連携により自社Webサイト上でリアルタイム混雑状況を把握できる独自UIや、「スキルベースルーティング」機能による適切なコーディネーターとのマッチングが実現し、顧客満足度の向上にもつながっている。
顧客は来店不要で相談しやすい環境が整い、遠方の家族と一緒にオンラインで相談できるなど新たな顧客体験が生まれている。従業員にとっては、シンプルで使いやすいUIや他のZoomプロダクトとの連携による業務効率化、リモートワークの推進による働きやすさの向上が見られる。特に自宅からの勤務が可能となったことで、ライフステージの変化に伴う離職率の低下や再就職率の上昇が確認されている。ベテラン人材の現場復帰も進み、育成・採用コストの軽減が期待されている。
LIXILは、Zoom Contact Centerの導入を通じ、顧客体験と従業員体験の双方を高める新たなショールーム運営モデルを構築した。今後もデジタル技術の活用によるサービス向上を目指し、2024年秋にはほぼ無人のオンラインショールーム「LIXILスタジオ港北」も開設した。LIXILは今後も顧客と従業員双方の体験向上に取り組んでいく。
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