Honda、着座型ロボットの通信基盤にSORACOM採用 稼働データ収集で保守高度化

2025年12月10日17:42|ニュースCaseHUB.News編集部
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 本田技研工業(Honda)は、着座型モビリティロボット「UNI-ONE」のデータ通信基盤として、IoTプラットフォーム「SORACOM」を採用した。12月9日、ソラコムが発表した。機体の位置情報や稼働状況を遠隔で収集して保守やサービス向上に役立てるほか、ファームウェアの更新基盤としても活用する。安定した通信環境を確保し、今後の量産化や利用拡大を支える狙いだ。

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モビリティロボット「UNI-ONE」

 UNI-ONEは、Hondaが長年のロボティクス研究で培った技術を応用したモビリティだ。座ったまま体重移動するだけで歩行するように移動でき、両手が自由に使えるのが特徴である。商業施設での回遊やオフィスでの業務効率化、高齢者の移動支援など幅広い用途を見込み、2025年9月から国内法人向けに販売を開始している。

 今回採用したSORACOMは、UNI-ONEの機体管理を行うための通信インフラとして機能する。機体に搭載された電子制御ユニット(ECU)から、バッテリーの充電残量や位置情報、移動速度、センサー情報などをSORACOM経由で取得する。これらのデータは、保守対応やサービスの改善、走行データの分析などに活用される。また、機能追加や修正に伴うファームウェアのリモートアップデートにも、SORACOMの通信基盤が利用されている。

 採用にあたっては、屋内外を移動するモビリティの特性上、場所を問わず安定してつながるセルラー通信が不可欠だった。その上で、データ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」がIoT向けに最適化された料金体系である点や、回線管理コンソールとAPIによって小規模から大規模まで柔軟な運用管理が可能な点を評価した。複数の通信キャリアに対応しており、通信の安定性を確保できる点も決め手となった。

 今後、UNI-ONEの利用台数が増加し量産化が進むにつれ、限られたバッテリー容量の中で効率的なデータ通信を行う設計が重要になるという。Hondaは、IoT分野でのデバイスからクラウドまでのシステム設計実績やデータ通信の最適化技術を持つソラコムの支援を得て、事業の成長とモビリティ価値の創出に取り組む方針だ。

ニュースリリース
https://soracom.com/ja/news/20251208-use-cases-for-mobility-robots