H.U.グループホールディングスは、SAPのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」を導入し、基幹システムのモダナイゼーションを実施した。11月18日、SAPジャパンが発表した。将来のビジネス拡大とグループ統合基盤としての持続性確保を目指し、システムのバージョンアップを検討した結果、SAP S/4HANA Cloudへの移行を決めた。これにより、グループ会社共通の会計基盤としてデジタルトランスフォーメーション(DX)とデータ利活用をさらに促進する方針だ。
H.U.グループホールディングスは1950年の創業以来、受託臨床検査や検査薬事業を中心とする企業グループとして事業を拡大しており、今後ヘルスケアの発展への貢献を目指しさらなる飛躍を目指している。システムのバージョンアップにあたり、世界中で活用実績があり今後の先進SAPソリューションの活用も見込めるSAP S/4HANA Cloud Private Editionの採用を決めた。
同プロジェクトでは、バージョンアップと同時に必要機能の見直しと再構築、インターフェース連携方式の整理・シンプル化を並行して実施し、システム全体の可用性を確保した。また、プロジェクト開始時点でグループ全体で約1000名が利用することを想定し、円滑な業務遂行を目的にシングルサインオンを導入した。これにより、エンドユーザーの利便性向上とセキュリティ強化を実現した。
システム構築プロジェクトは、SCSKが担当した。プロジェクト終盤では、周辺システムの導入が並行する状況のなかで、相互に影響が出ないよう綿密な調整を行い、計画どおりに本番移行を完遂した。
同社では今後、グループ会社共通の会計基盤としてDXとデータ利活用のさらなる促進を目指す。また、業務部門代表のキーユーザーとの連携を強化し、システムのさらなる活用を推進する方針だ。さらに、「SAP Signavio」を活用した業務プロセスの継続的な改善により、業務の最適化と標準化に取り組む。