京都府庁は、ピュア・ストレージのプラットフォームを採用し、府庁内のITインフラを支えるエンタープライズ・データ・クラウドを構築する。11月18日、ピュア・ストレージ・ジャパンが発表した。今回の導入は、「京都府スマート社会推進計画」の実現に向けたITシステムのモダナイズの一環であり、行政サービス提供のために、常に利用可能でセキュア、かつ管理が容易なデータ・ストレージ基盤を構築することが目的だ。ピュア・ストレージのFlashArrayとEvergreenで構成されるプラットフォームを導入することで、サイバー攻撃や自然災害から迅速に回復できるサイバー・レジリエンスの強化を図り、将来のデータ量増大にも柔軟に対応できるデータ管理を実現する。
府庁は、京都府スマート社会推進計画のビジョン実現のため、DXを支えるITシステムのモダナイズに着手し、特にストレージ・インフラが優先度の高い対処領域となっていた。従来は、複数のベンダーによる六つの異なるストレージ環境が乱立しており、管理が困難であることや、セキュリティ対策が複雑化していたことが課題だった。さらに、5年ごとのアップデートによるメンテナンス費用が高額であり、ITチームの多くが非戦略的な業務に時間を費やしていた。
こうした課題を解決するため、府庁内のファイル・ストレージおよび仮想基盤を含む全てのデータ基盤をモダナイズし標準化を進める方針を決めた。パブリック・クラウドを含む複数の選択肢を比較検討した結果、ピュア・ストレージのソリューションの採用を決断した。
ピュア・ストレージの採用により、府庁はエンタープライズ・データ・クラウドを構築し、シンプルさ、俊敏性、効率性を備えたデータ管理を実現した。主なメリットとして、サイバー・レジリエンスとデータ・ガバナンスの向上が挙げられる。守秘性の高い個人情報を扱う部局が多いことからデータ・セキュリティへの懸念があり、パブリック・クラウドを採用しなかった経緯がある中、ピュア・ストレージのテクノロジーは、データの暗号化に加え、不変のスナップショット機能であるSafeModeによりサイバー・レジリエンスを強化する。これにより、サイバー攻撃や自然災害発生時でも、迅速かつ大規模にデータをリストアし、数分以内に業務を再開できるという。また、日本の個人情報保護法への準拠を支援するデータ・ガバナンスの自動化機能も活用できる。
さらに、業界トップクラスの性能と拡張性により、ニーズの変化に応じた柔軟な拡張が可能となるため、将来のデータ量増大に対応できる。また、将来的に外部組織へ余剰容量を提供することも視野に入れている。
ストレージ管理の負荷も軽減される。ピュア・ストレージのEvergreenプログラムにより、データ・ストレージ基盤は定期的な無停止アップグレードで10年以上にわたり常に最新の状態を維持できる。これにより、5年ごとの手動アップグレードにかかるコストと時間を削減できる。また、Pure1管理プラットフォームにより、IT部門はストレージ・インフラ全体を一元的に把握できるようになった。
京都府総合政策環境部情報政策課の寺本謙一副主査は、「デジタル化は、利便性と安全性をセットで進めなければならない。特にコロナ渦以降は、サイバー攻撃や自然災害が発生しても業務を継続できるよう、組織のレジリエンス強化に取り組んできた。ピュア・ストレージのプラットフォームにはサイバー・レジリエンスとデータ・セキュリティが組み込まれており、事業継続を可能にする堅牢な基盤である点に好印象を持った」と述べている。
今後は、このエンタープライズ・データ・クラウドを、京都府の「京都府スマート社会推進計画」実現をめざすITモダナイゼーションの基盤として活用していく方針だ。