HYUNDAI MOBISは、次世代車両緊急通報システム「Hybrid eCall」および「NG eCall」の開発・検証の信頼性向上と効率化を目指し、アンリツのeCallテストソリューションを採用した。1月20日、同ソリューションを提供するアンリツが発表した。単一のシステムで複数の通信規格を網羅するテスト環境を構築したことで、不具合原因の特定を迅速化し、開発・検証プロセス全体の効率を大幅に高めた。
HYUNDAI MOBISは、韓国ソウルに本社を置く世界有数の自動車部品サプライヤーだ。自動運転、コネクティビティ、電動化を中核に据え、スマートモビリティ時代をリードすることを目指している。同社は現在、欧州をはじめとする各国の規制や技術革新に対応するため、自社製車載システムへのHybrid eCallおよびNG eCallの搭載を進めている。
欧州では2026年以降、型式認定を取得する全ての新型車両に4Gネットワークを用いたNG eCallの導入が義務付けられる。一方で一部の地域では依然として2Gや3Gのネットワークが運用されており、新旧両方のネットワークでサービスを継続できるHybrid eCallへの対応が不可欠となっていた。しかし、Hybrid eCallの検証には、従来はNG eCall用とeCall用にそれぞれ異なるテスト環境が必要だったほか、実運用を想定した多様なネットワーク環境のシミュレーションが困難であるといった課題を抱えていた。
こうした課題を解決するため、HYUNDAI MOBISはアンリツのeCallテストソリューション「MX703330E」およびシグナリングテスタ「MD8475B」を全社的な検証基盤として採用した。選定にあたっては、一つのシステムでHybrid eCall、NG eCall、eCallの全てを検証できる機能性と、長年さまざまな業界で活用されてきた信頼性を評価した。また、開発部門と検証部門が同一の環境を共有することで、不具合の再現や原因特定を容易にできる点も採用の決め手となった。
導入により、開発・検証フローは大幅に改善された。MX703330EおよびMD8475Bの機能を活用することで、信号強度の調整や基地局間の切り替えなど、実際の運用に近いネットワーク環境を精密に再現できるようになった。さらに、スマートスタジオマネージャー「MX847503A」を用いて適合性試験を自動化したことで、信頼性の高いエビデンスを迅速に開発チームへ提供できる体制を整えた。
アンリツによる技術サポートも、円滑な導入を支えた。正式なソフトウェアリリースの前からベータ版を提供したほか、現場での直接的なサポートや機器設定ガイドの提供を通じて、エンジニアの知識習得や環境構築を支援した。
HYUNDAI MOBISのElectronic Control Test Teamで研究員兼エンジニアを務めるJinseong Lee氏は、アンリツのソリューションの最大の魅力は高い信頼性と安定性にあると感じている。不具合発生時にシーケンスログなどを活用して原因を即座に切り分けられるようになり、分析時間が大幅に短縮された。アンリツは手厚いサポートを提供してくれる、すぐに頼れるパートナーだと話している。
今後は、さらなるテストの自動化を推進するとともに、SMS送信やスループット測定といった未使用の検証機能も積極的に活用していく計画だ。検証の幅を広げることで製品性能の多角的な分析を実現し、より高品質な車載システムの開発につなげたい考えだ。