i-plug、反社チェックの自動化で工数50%削減 スプレッドシート連携で審査を高度化

2025年12月19日11:28|ニュースCaseHUB.News編集部
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 i-plugは、コンプライアンス審査業務の効率化と精度向上を目的に、KYCコンサルティングの反社チェックツール「RiskAnalyze」を採用した。12月18日、KYCコンサルティングが発表した。同ツールとスプレッドシートをAPI連携させた運用により、検索作業に要する時間を従来比で50%短縮した。今後は浮いた時間を詳細なリスク判断に充て、学生が安心して利用できるプラットフォームの運営体制を強化したい考えだ。

 i-plugは、新卒オファー型就活サービス「OfferBox」を運営している。同社は「フェアネス」を重要な価値観として掲げており、上場企業としての責任に加え、学生を不適切な企業から守るというブランディングの観点から、厳格な審査体制の構築を求めていた。

 従来、同社では名刺管理ツールのオプション機能や新聞記事閲覧サービスなどを活用して審査を行っていた。しかし、検知情報の粒度が粗く、逮捕歴や裁判結果などの詳細を把握するために担当者がインターネット上で再検索する二度手間が発生していた。事業拡大に伴い取引先数が増加するなか、現場の作業工数が圧迫されていることが課題となっていた。

 複数のツールを比較検討した結果、RiskAnalyzeの採用を決めた。選定にあたっては、情報の要約の質とデータベースの網羅性を高く評価した。特に、ヒットした記事の内容を端的かつ十分な精度で要約して出力する機能を評価。これにより再検索の手間を解消できると判断した。また、トライアルを通じて他社ツールでは検知できなかった情報を拾い上げる検索精度の高さも決め手になっている。

 導入にあたっては、Googleスプレッドシートで管理している企業情報を、夜間にAPI連携でRiskAnalyzeへ送信して一括検索する仕組みを構築した。これにより、翌朝には検索結果が揃っている状態となり、担当者は出社後すぐに確認作業に入れるようになった。

 RiskAnalyzeの導入により、審査フローは大幅に改善された。以前は午前11時から12時頃までかかっていたチェック作業が、導入後は午前10時前に終了するようになり、作業時間はおおよそ半分に短縮された。また、記事検索サービスを利用していた時期と比較すると、作業量は3分の1から4分の1程度まで削減されている。

 作業の高速化によって生まれた余裕は、リスクの精査や議論に充てられている。現在は専任グループによる一次フィルターでノイズを除去した後、担当チームが詳細な二次審査を行い、必要に応じて事業部や管理部の責任者へエスカレーションする体制を敷いている。一律の判断が難しいグレーゾーンの案件についても、丁寧に目視で確認できるようになったことで、チーム内での判断基準の言語化やナレッジの蓄積が進んだとしている。

 i-plug経営管理部の福永氏は、「RiskAnalyzeは桁違いの情報量を持ちながら、重要なポイントが整理されて出力されるため、懸念点を瞬時に把握できる。リスクの見落としを防ぎつつ、確認の手間を減らしたい企業に適している」と評価している。今後はAI連携による自社基準に合わせた自動判定の活用なども視野に入れ、さらなる業務効率化と審査品質の向上を目指す方針だ。

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