オリックス生命保険(オリックス生命)は、コンタクトセンター・システムの開発におけるアジャイル開発体制の強化を目的に、IBMが提供するアジャイル・プランニングのSaaSプラットフォーム「IBM Targetprocess」を本格採用した。9月24日、日本IBMが発表した。大規模アジャイル・フレームワークであるSAFe(Scaled Agile Framework)の活用を強化し、ビジネス環境の変化に対応し続けられるシステム開発環境を実現したとしている。
オリックス生命は2024年、顧客との重要な接点であるコンタクトセンターのシステムを、オンプレミス型からSaaS型に移行した。その際、短期間で継続的な成果を積み重ねられるフレームワークとしてSAFeを導入し、SAFeに準拠したアジャイル開発管理ツールは内製していた。今回、コンタクトセンター・システムの継続的な機能改善に向けて、SAFeに基づくエンタープライズ・レベルでのアジャイル開発を強化するため、新たなツールとしてIBM Targetprocessの導入を検討。2024年11月から1カ月間の試験導入を経て、2025年1月に正式導入した。
IBM Targetprocessは、企業全体の戦略策定から開発リソースの計画・調整、プロジェクトの進捗管理までを支援するSaaSソリューションだ。オリックス生命は、複数のアジャイル・チームの作業と依存関係を時系列で可視化するプランニング・ボードの視認性・操作性を評価。また、事業価値の流れ(バリュー・ストリーム)ごとのロードマップや戦略的目標に沿った投資予算を可視化・共有できるなどリーン・ポートフォリオ管理に対応している点、将来的な導入を見据えているOKR(目標と主要な結果)と日々の業務を結びつけ目標達成への貢献度を可視化できる機能を実装していることなども選定のポイントだったという。
現在、同社ではIBM Targetprocessを通じて、ポートフォリオ全体のロードマップを起点に、タスク間の依存関係や進捗状況を組織全体で共有している。チームやメンバー間でのインタラクティブな調整が可能になったことで、組織のアジリティーを高め、現場のメンバーが計画の変更にも納得感を持って迅速に対応できる体制が整ったとしている。