国立大学法人福岡教育大学は、未来型ICT学習環境の活用に向け、内田洋行と包括連携協定を締結した。9月4日、内田洋行が発表した。附属学校3拠点に整備された学習空間「フューチャークラスルーム」を基盤に、教育環境の実証や改善、次世代の教員育成のための共同研究を推進し、教育現場の変革を目指す。
福岡教育大学は、社会の進展を背景に、最新の教育テクノロジーを活用した新たな教育方法や学習スタイルの提案を目指している。その中核となるのが、2025年4月に附属福岡・小倉・久留米の3拠点に設置されたフューチャークラスルームだ。ハイフレックス型授業や協働的・創造的な学習を可能にするこの空間を、教員養成や研修の実践基盤として活用する予定だ。
教室空間、ICT、学習データ、ICT人材育成といった多様な領域を一体的に支援できるパートナーとして、内田洋行が選定された。協定では、学校教育における効果的な学習環境と指導のあり方、他の教育機関や行政機関との連携、人材育成や人材交流などについて、産学の知見を結集し、教育イノベーションの共創を図る。
フューチャークラスルームは、タブレットやクラウドコンピューティングの普及を背景に、次世代の学習環境のあり方を提案する未来の教室のコンセプトだ。両者は、フューチャークラスルームを活用した学習指導方法の開発と実践、検証を目的とした「ラーニング・イノベーションの促進を目指した未来型ICT環境設備の活用に関する試行的実践プロジェクト」を進めている。
内田洋行教育総合研究所は、3拠点の各教室を活用した実践事例の創出や教育効果の検証などを担う。地域の教育委員会や大学と一体となって取り組みを進め、3拠点を接続したネットワーク型授業や地域の社会教育機関との連携も視野に入れている。
内田洋行は、福岡教育大学附属福岡小学校において、児童の学びを可視化する学習ダッシュボード「マイ・カリキュラム」を構築・運用している実績がある。また、GIGAスクール構想第2期(NEXT GIGA)に基づき、3つの附属小・中学校に端末総台数2175台の利用環境の設計構築と運用支援を一貫して請け負った。
これらのICTインフラ整備により、各拠点のフューチャークラスルームでの授業実践に学習端末が自然に取り入れられ、個別最適な学びと協働的な学びの実現が進んでいる。今後は、フューチャークラスルームの実践事例を体系化し、地域の教育委員会や産業界とも連携して成果を発信していく方針だ。