本田技研工業は、マクニカが提供するIGAソリューション「Saviynt」を導入した。8月4日、マクニカが発表した。IGA(Identity Governance and Administration)は、IDやアクセス権限を適切に統制し、必要最小限の権限付与や棚卸し、監査対応を支援する仕組みだ。今回の導入により、28万人超、約1600アプリケーション規模のID・権限制御基盤を構築し、グローバル規模でのIDガバナンス強化と運用自動化を実現した。
本田技研工業では、本社や研究所などの組織や拠点ごとに複数の認証基盤が混在し、ID管理やアクセス統制の分散と複雑化が課題となっていた。既存環境はオンプレミス中心で運用されていたため、バージョンアップや互換性維持に多大な工数を要していた。さらに、人事イベントに伴う権限管理は手作業が多く、反映までに時間を要するケースがあった。ユーザーにとってもシステムごとに異なる画面からログインする必要があり利便性に欠けるほか、パスワード依存によるセキュリティリスクも顕在化していた。
こうした状況を受けて同社は、「7段構え」のセキュリティ対策を策定し、中核として認証基盤の強化を位置づけた。複雑な権限モデルやIDライフサイクルの管理を見据え、IGAソリューションの導入を検討。大規模環境に対応するスケーラビリティや、複雑な権限モデルへの柔軟性、クラウドネイティブなアーキテクチャ、中長期的なTCO最適化を評価し、Saviyntを採用した。
導入に際しては、マクニカが製品サポートに加え、国や地域で異なるデータ品質の平準化やシステムへの取り込み支援を実施した。
新基盤の構築により、ユーザーは統一されたログイン環境で各種アプリケーションを利用できるようになり、利便性が向上した。IDおよび権限ガバナンスの整備に伴い、権限付与や変更、棚卸作業の大半が自動化され、作業負荷の削減を見込む。迅速な監査レポートの出力も可能となり、セキュリティ部門がより高付加価値な業務へ注力できる体制が整った。
本田技研工業デジタル統括部ITインフラ部チーフエンジニアの山田太郎氏は、「Saviyntの導入により、グローバル全社でのID管理と権限ガバナンスの統合が実現し、運用効率とセキュリティの両立を達成できた。従来は多大な工数を要していた権限の棚卸や付与作業が自動化されたことで、業務のスピード感と安全性が飛躍的に向上している」と話している。
同社は今後、サービスアカウントをはじめとするノンヒューマンIDや、特権アクセス管理まで含めた統合的なガバナンスの実現を目指す。Saviyntをグローバル全社における運用自動化とガバナンス強化のプラットフォームとして活用する方針だ。