福岡地所は、2026年8月に開業した「天神ビジネスセンターII」の共用部に、ビットキーのオフィス向けコネクトプラットフォーム「workhub」を導入した。10月1日、ビットキーが発表した。ワーカー専用の共用スペース「Reboot!」にある約50カ所の施設は、スマートフォンで予約し、二次元コードで解錠できる。顔認証による入退館や来訪者受付も整え、施設運営の省人化と利用者の利便性向上を図る。
天神ビジネスセンターIIは、福岡市が進める「天神ビッグバン」の一環として、福岡地所、九州電力、クラフティアが開発した大型複合ビルだ。地上18階、地下2階建てで、延べ床面積は約6万2720平方メートル。2026年6月30日に竣工し、同年8月に開業した。
オフィス貸床面積の約15%に当たる約1300坪を、入居テナントのワーカー専用の共用スペース「Reboot!」として整備した。地下2階、4階、5階に、Web会議ブースや1~20人用の会議室のほか、スパ・サウナ、ジム、シミュレーションゴルフなどを設ける。テナント企業は専有区画を広げずに会議室不足に対応できるほか、企業や業種、会社規模の垣根を越えた交流も促す。
ザイマックス総研の「大都市圏オフィス需要調査2026春」によると、メインオフィスに関する課題では「会議室が足りない」が27.4%で第2位だった。コミュニケーションの活性化も、ワークプレイス戦略における重要な課題とされる。一方で、大規模な共用施設では、利用予約の手間、特定利用者による長時間の占有、施設管理の負荷が課題となる。福岡地所はworkhubの導入で、これらへの対応を図った。
workhubは、ビットキーが提供する、施設予約、スマートロックによる解錠、入退館管理、来訪者受付などを一元化するオフィス向けコネクトプラットフォームだ。ワーカー専用の共用スペース「Reboot!」がある地下2階、4階、5階と、2階のエントランスに導入した。入居テナントのワーカーは、Reboot!内の約50カ所の施設について、24時間いつでもスマートフォンで空き状況を確認し、予約できる。予約時間内だけ有効な二次元コードを端末にかざすことで解錠でき、鍵の受け渡しやスタッフによる対応を必要としない。
予約利用には1日当たりの時間上限を設け、予約後に一定時間内の入室がなければ自動キャンセルする。これにより、特定の利用者による施設の占有を防ぎ、すべてのワーカーが利用しやすい環境を目指す。運営側では、鍵の管理や予約状況の確認、利用者対応にかかる負荷の軽減につなげる。
入退館には顔認証を利用する。Reboot!の入口や、入居フロアへ向かうセキュリティゲート、ドアに顔認証を導入し、ゲート通過と連動してエレベーターを自動で呼び出す。顔情報はスマートフォンのアプリから登録でき、ICカードでの入退館も選べる。
来訪者は、ワーカーが事前に送付した二次元コードをゲート端末にかざすだけで入館できる。記帳や対面での受付手続きは不要で、来訪者の到着は入居企業ごとにメール、Google Chat、Slack、Microsoft Teamsで通知する。
workhubは共用部だけでなく、テナント企業の専有区画にも導入できる。顔認証による入退館、会議室予約、受付システムを専有区画にも追加することで、共用部から執務エリアまでを一つの仕組みで管理できる。天神ビッグバンの対象ビルにおけるworkhubの導入は、今回で3棟目となる。
福岡地所賃貸事業一部長の玉手啓介氏は、Reboot!と専有オフィスをシームレスに行き来する働き方を実現する上で、セキュリティと利便性を両立できるworkhubが不可欠だったと説明する。企業ごとのオフィスニーズに応じて専有区画へ機能を拡張できる点も評価し、今後もビットキーとともにワーカーの創造性を引き出すオフィスの提供を目指すとしている。