水処理施設などの設計・施工、維持管理を手がける水ingは、下水道処理施設の点検業務効率化を図るため、ugoの小型点検ロボット「ugo mini」を導入し、有効性の検証を始めた。11月27日、ugoが発表した。
下水道事業は生活を支える重要なインフラだが、財政難や施設の老朽化、人口減少といった課題を抱え、人材不足が懸念されている。業務効率化と持続可能な管理体制の確立が急務で、水ingは技術革新による課題解決を模索してきたという。
今回はそうした取り組みの一環として、水ingが施設の運転管理を受託する下水道処理施設で日常の点検業務にugo miniを活用し、次世代の運用管理体制確立に向けた検証を進める。ugo miniは遠隔操作と自動化機能を備えており、施設内を自律的に移動して点検作業を行う。現場の業務負担軽減、安全で安定した施設運営への貢献を見込む。
水ingのデジタル・システムイノベーション統括部長である古賀大輔氏は、「上下水道処理施設の点検業務が大幅に効率化されることを期待してugo miniの導入検証を開始した。ugo miniは施設内の無人移動プラットフォームとしての拡張性に期待している。現在は可視光のカメラによる目視の代替を検証中だが、今後、さまざまなセンサーやAIと連携させることで、対応可能な点検項目を拡充させていきたいと考えている」とコメントしている。
一方で、既存の水処理施設内の環境は必ずしも車輪移動式のロボットに適しているとはいえないため、「対応可能な施設条件を検証しながら適用先を見定めていく」方針だという。さらには、点検にロボットを活用しやすい新規施設設計の要件なども検証していく方針だ。将来的には、各拠点における複数台の運用も視野に入れ、さらなる業務効率化と省力化の実現を目指すとしている。