ヤンマーマルシェは、水稲栽培におけるメタンガス削減とJ-クレジット創出に向けた新たな取り組みを開始した。2023年8月2日、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が発表した。
ヤンマーマルシェは、農業のDXを推進し、持続可能な農業モデルの構築を目指している。世界的な気候変動を背景に、メタンガス排出量の削減が急務となる中、水稲栽培における中干し期間の延長に着目。NTT ComのIoT技術を活用し、メタンガス削減と生産者の収益向上を両立する新たな農業モデルを構築する。
今回の取り組みでは、ヤンマーマルシェが契約する一部の生産者が栽培するコメ「にじのきらめき」を対象に、中干し期間を延長。NTT ComのIoTセンサー「MIHARAS」を水田に設置し、地温、水位、水温、湿度、気温などのデータを収集する。取得したデータは、NTT Comが提供するアプリケーションに自動的に連携され、アプリケーションからJ-クレジットの申請までを一貫して行う。
従来、中干し期間の延長は、土壌条件によってはコメの収穫量が減少する可能性があった。しかし、ヤンマーマルシェは、収穫量の確保および品質の向上に向けた営農支援を実施することで、この課題を解決する。さらに、収穫したコメは、環境に配慮した食料を求める顧客ニーズの高まりを受け、ブランド化に取り組むことで、販売、流通を支援する。
ヤンマーマルシェとNTT Comは、本取り組みを全国に展開し、2030年度までに約1万tのCO2排出量削減を目指す。得られたJ-クレジットを全国に広く流通させることで、農業由来のカーボンクレジットを活用した新たな農業モデルの構築を行い、同時に地域活性化などの社会課題の解決を実現していく。
ニュースリリースURL
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0802.html