上海ナブテスコ、IoT活用で200台に及ぶ設備稼働状況可視化、生産性向上

2024年9月9日08:30|ニュースリリース公開日 2024年3月27日|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 上海ナブテスコが製造業向けIoTソリューション「mcframe SIGNAL CHAIN」を導入し、設備稼働率の改善に成功した。3月27日、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が発表した。

 上海ナブテスコは、ナブテスコのパワーコントロールカンパニーの中国現地法人として、建設機械用油圧機器の製造・販売を担う。同社は3つの工場内に約200台の機械加工設備を保有し、年間6万台の油圧減速器の生産能力を有している。

 近年の人材不足と価格競争激化に対応するため、同社は効率化と生産性向上が急務となっていた。特に、徹底した省人化の実現と余剰設備の集約による生産面積縮小が課題であった。

 これらの課題解決のため、同社はB-EN-Gの「mcframe SIGNAL CHAIN」を導入。これにより、部品加工の全工程を可視化し、無駄の排除を実現した結果、マシン稼働率が向上した。また、「多能工化」にも取り組み、生産性向上において大きな成果をもたらした。

 導入プロセスにおいては、最初の導入をB-EN-Gが支援したものの、その後2か月という短期間で200台以上の設備への横展開を自社で行うことに成功。これは同ソリューションの導入事例としては初めてのケースとなった。

 導入効果として、個々の加工設備の稼働率向上により余剰設備を休止し、生産面積の縮小を実現。また、省人化により人材不足への対応と生産変動に強い製造ラインの構築を達成した。さらに、稼働率向上により加工部品の内外製区分を見直し、原価改善にもつながった。

 加えて、現場の改善意識が向上し、改善提案提出件数は10倍以上に増加するなど、従業員の意識改革にも寄与した。

 上海ナブテスコは今後の展望について、「まだ見える化できていない工程や作業を見える化した後、さらに強化していきたいのが解析のフェーズです。無駄が発生していないか、改善できるところがないかを徹底的に洗い出し、対策を講じ、スマートファクトリー化の実現を目指していきます」とコメントしている。

 同社は引き続き、IoT技術を活用した生産性向上と効率化を推進し、競争力強化に取り組んでいく方針だ。

ニュースリリースURL
https://www.b-en-g.co.jp/jp/news/2024-03-27-news.html