パナソニック インフォメーションシステムズがオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入した。3月11日、New Relicが発表した。
パナソニックグループのパナソニック くらしアプライアンス社では、顧客価値創造(CX)の向上を掲げ、B2Cサイトのリニューアルを進めていた。リニューアル後のB2Cサイトでは、商品サイト、ECサイト、会員サイトに別々のクラウドサービス(SaaS)が用いられ、個別に運営されてきた。
そのため、顧客が商品情報を参照してから購入に至るまでの導線が不明確という課題があった。加えて、各サイトは受発注管理システムや在庫管理システムといった複数のバックエンドシステムとも連携しており、グループのIT中核企業であるパナソニック インフォメーションシステムズでは、このような複雑な環境を安定的に運用するための基盤を求めていた。
New Relicは、シンプルなライセンス体系(ユーザー数と取り込んだデータ量による課金)、監視システムの上限がなくフル機能を利用できる点、そしてNew Relic日本法人による日本語での技術サポートが評価され採用された。
導入にあたり、パナソニック インフォメーションシステムズは、まずB2Cサイトの外形監視から開始し、現在は「買う前(検討)」「買う時(購入)」「買った後(サポート)」という顧客体験の全プロセスにおいてオブザーバビリティを活用している。顧客が正常にログインできるか、商品情報システムと連携するページの表示や検索の速度、決済処理の遅延の有無などがNew Relicのダッシュボードで可視化され、何らかの不調が検知されるとアラートが上がる仕組みが構築されている。
顧客満足度の向上を目指し、事業視点でより有益な情報を集約した「ビジネスダッシュボード」をNew Relicで構築する取り組みも進めている。ビジネス指標とシステムデータの相関を観測するビジネスオブザーバビリティ観点から、各部門に合わせた情報がダッシュボードで見やすく情報が提供されることで、事業部門とIT部門間の情報共有や認識合わせが容易になることが期待される。システムに不具合が発生した際も、各部門がそれぞれの担当範囲における影響を確認し、適切な役割分担で対応できるため、報告プロセスや部門間の壁が取り払われ、システムの問題解決スピードが向上し、ビジネス全体のアジリティ向上に繋がる。
New Relicの導入で、複数のクラウドアプリケーションの稼働状況や関連性をリアルタイムで俯瞰的な把握が可能となり、顧客体験に影響を与える可能性のある不具合の早期検知が実現している。今後は、原因の特定から問題解決までの迅速化に取り組み、さらにNew Relic APMの活用を進めることで、サービス品質に影響を及ぼすような不具合が顕在化する前に対処できるよう、中長期的な視点でのサービス品質監視を計画している。
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 ビジネスデザイン本部 マーケティングDXソリューション事業部 事業部長の杉田栄氏は「今回のプロジェクトで得たNew Relic活用の知見を他のシステムに展開していくとともに、SAPのようなミッションクリティカルなシステムの監視にも適用していく考えです」とコメントしている。
#Observability #CloudMonitoring #CustomerExperience #DX #BusinessAgility #Panasonic #NewRelic