アシックス、レッツノート採用でIT管理負荷を軽減し顧客体験向上

2024年12月9日11:57|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アシックスはパナソニック コネクトのレッツノートFVシリーズを採用し、ITシステム部門の業務負荷軽減と顧客体験価値向上を実現した。パナソニックグループが12月6日発表した。

 アシックスはDX推進の一環として、デジタルを活用したブランド体験価値向上を目指している。しかし従来は、社内PCのメーカーや機種が混在し、ITシステム部門に大きな負担がかかっていた。さらに、デジタルツールやセキュリティ強化のためのソフト導入により、古いPCでは動作が重くなり、生産性低下も課題となっていた。そこでアシックスは、社員の使いやすさ、運用保守の効率化、ITシステム部門の負担軽減の3つの観点から、新たなPCを選定することとした。

 選定の結果、社員レビューで高評価を得たレッツノートが採用された。レッツノートは頑丈性、画面サイズ、カメラ解像度、スピーカー・マイク性能などの総合的な使いやすさが評価された。特に14.0型の大画面と約1kgの軽量ボディを両立している点が、アシックスの多様な働き方に合致した。

 運用保守の効率化では、インテル vProプラットフォームを搭載したレッツノートが最適だった。アシックスは多数の直営店を抱えており、店舗ごとにPCサポートを行うのは非効率だった。vProプラットフォームにより、ITシステム部門はリモートでファームウェアのアップデートや緊急のバージョンアップを一括管理可能となった。また、長期にわたる供給とCPUの性能、品質が保証されている点も、vProプラットフォームを選んだ理由だ。

 さらに、ITシステム部門の負担軽減では、神戸工場出荷時にキッティングまで対応可能なプランが決め手となった。アシックス向けのソフトインストールやユーザー登録を工場出荷段階で完了できるため、ITシステム部門の負担が大幅に軽減された。

 レッツノート導入後、PC関連の問い合わせ件数が約10分の1に減少した。問い合わせ内容も落下などの人的トラブルが中心で、ハードウェアの不具合はほとんどなくなった。初期不良も少なく、3000台中わずか3~4台にとどまっている。アシックス GIT戦略部の柳谷正章氏は「初期不良というのはどのメーカーのPCでもある程度は発生すると思いますが、それらと比較して肌感覚的には圧倒的に少ない数字だと思います」とコメントしている。

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店頭でのPCを活用した顧客への説明イメージ

 店舗では、3次元足形計測機「ASICS FOOT ID」を使った顧客へのサービス提供スピードが向上した。アシックス大阪店長の春名慎吾氏は「以前のPCだと、処理能力の問題で、起動にかなり時間がかかり、足形のスキャンデータを処理するのにかなり時間を要していました。レッツノートに変えてからは立ち上がりも速くなり、足形データの処理もすぐに終わるようになったので、お客様をお待たせすることが少なくなりました」とコメントしている。さらに、タッチパネル搭載モデルにより操作性が向上し、顧客への説明もスムーズになった。サービス提供時間の短縮は、結果として売上向上にもつながっている。

 アシックスは今後、インテルEMAを活用したPCの一括管理や、店舗スタッフの接客品質向上にも取り組んでいく。また、ECサイトと店舗の在庫を連携させるオムニチャネル戦略を進めるにあたり、レッツノートに新たなDXツールを搭載することも検討している。

ニュースリリース