全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)は、情報系システムの新たな基盤として富士通のソブリンクラウド「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」とBIツール「Oracle Analytics Cloud」を採用した。8月18日、システムの構築を支援する富士通が発表した。システムの保守・運用にかかる負荷を大幅に軽減する。さらに、AIにより専門知識を持たない職員のデータ活用を促し、経営層や営業現場での意思決定の高度化を目指す。
JA共済連は、各地域の共済ごとの契約実績管理やWebマイページへの登録数計測などに情報系システムを活用している。全国本部や県本部、JAの職員約4万5000人が日常的に利用する規模であり、これまで情報システム部門が中心となって運用や保守を担ってきた。
しかし、頻繁に発生するシステムのバージョンアップへの対応負担が大きな課題となっていた。加えて、利用するクラウドサービスやミドルウェアごとに問い合わせ窓口が分散しており、サポートへの連絡が煩雑になっていた。また、従来のBIツールはデータ分析に一定の知識や経験が必要であり、より多くの職員がデータを活用しやすい環境の整備も求められていた。
これらの課題を解決するため、新たな基盤として富士通のソブリンクラウドへの移行を決断し、8月17日にシステム構築を開始した。国内のデータセンターで運用されるため、高い機密性を備え、共済事業のデータ主権を国内で担保しながら、地政学的リスクやサイバーセキュリティにも対応できる点を評価した。
新たなシステム環境では、富士通が基盤の設計から運用、保守、サポートまでを一貫して担う。対応窓口が一本化されるため、バージョンアップ作業や障害発生時の問い合わせにかかる負荷が抑えられる。専任担当者が性能評価やセキュリティ分析を行うことで、安定的な運用と保守業務の効率化を両立させる。
同時に採用したOracle Analytics Cloudにより、データ分析の知識が少ない職員でも高度なデータ活用が可能になる環境も整えた。高い操作性とAIの支援機能を備え、膨大なデータから必要な情報を容易に抽出できるようになると見込む。今後は、運用時の性能低下検知や問い合わせ対応などにもAIを活用し、さらなる業務効率化を目指す方針だ。