日本航空(JAL)は、搭乗口で機内持ち込み手荷物の個数と種類をAIで自動解析し、積載量を推定する「NEC Baggage Counting Solution」を導入する。11月29日、JALとNECが発表した。機内持ち込み手荷物に起因する遅延への対策を強化し、定時性の向上とスムーズな搭乗を目指す。
航空機への手荷物持ち込み量の増加は、収納棚の不足や収納時間の増加による通路の混雑を招いているほか、搭乗開始後に貨物室へ預け直しとなるケースも発生している。JALでは、こうした状況が搭乗時間の長期化、ひいてはフライトの遅延要因になっていると分析していた。
こうした課題の解決策の一つとしてNEC Baggage Counting Solutionの活用を検討。同社とNECは、2024年4月から9月にかけて、羽田空港第1ターミナル13番搭乗口で実証実験を行った。搭乗口に設置したカメラの映像をAIで解析し、搭乗者が持つ手荷物を検知して種類別に分類。この情報を基に、手荷物が占有する収納棚のスペースをリアルタイムに推定し、事前に設定した閾値に達するとアラートを発する仕組みを構築した。
実証実験では、手荷物検知と分類の精度、アラートのタイミングを検証し、ソリューションの有用性を評価した。両社は実証の成果について「(NEC Baggage Counting Solutionの導入により)機内の持ち込み手荷物の占有状況やアラート発生頻度などのデータを収集・分析できるようになる。その結果、手荷物の収納や貨物室への再搭載による出発遅延を防ぐための具体的な対策を、データに基づいて講じることが可能になる」としている。これを踏まえ、運用方法をさらに検討した上で、本格導入を進める予定だという。