イオンペットは、全国約200店舗の業務端末のセキュリティ強化を目的に、JBCCの「マネージドサービス for EDR Plus」を導入した。9月9日、JBCCが発表した。セキュリティレベルを向上させるとともに、運用コストを年間で3割削減、インシデント発生時の対応も迅速化できる。今後は、セキュリティ基盤を活用してDX推進や顧客データ活用を加速させたい考えだ。
イオンペットは、ペット用品販売やトリミングサロン、動物病院など多岐にわたる事業を全国約200店舗で展開している。多店舗展開に伴い情報システム部門の業務負荷が増加しており、データを扱う業務端末を包括的かつ効率的に保護するセキュリティ対策が求められていた。
従来、同社はエンドポイント保護(EPP)と検知・対応(EDR)のセキュリティ製品を個別に導入していたため、管理が煩雑になり、インシデント発生時にはそれぞれのログを突き合わせる作業に膨大な時間を要していた。実際にランサムウェア感染の疑いが生じた際には、原因究明に約1カ月かかったという苦い経験から、運用負荷を最小限に抑え、安心して任せられる支援体制の構築を重視して製品を比較検討した。
その結果、EPPとEDRを統合したXDRプラットフォームと、JBCCの24時間365日体制の運用・監視サービスを組み合わせた「マネージドサービス for EDR Plus」を採用。導入の決め手として、運用に最適化された提案であったことや、専任のセキュリティ技術者による日本語での手厚いサポート体制を評価した。
今回の導入により、同社のセキュリティ運用は大幅に効率化された。煩雑だったログ照合が不要になったほか、JBCCのセキュリティ監視センター(SOC)が支援することで、インシデント発生から初動対応、原因把握までの時間が大幅に短縮された。また、ライセンスを統合したことで年間費用を約3割削減。運用コストが大幅に軽減されたことで、情報システム部門の担当者は日常的な障害対応から解放され、顧客データプラットフォーム(CDP)構築などの付加価値の高い業務に注力できるようになった。
イオンペット執行役員 IT推進本部本部長の平井丈裕氏は、「運用に最適化された提案が、導入成功の決め手だった。JBCCの支援でセキュリティ体制を整えたことで、事業データを安全につなぎ、より深い顧客理解が可能となる。今後はデータ活用を軸に、ペットのライフスタイル全体を支えるサービスを展開していきたい」と語る。
今後の展望として、同社は「マネージドサービス for EDR Plus」を基盤に、ネットワーク検知・対応(NDR)などを組み合わせた多層防御を強化していく方針だ。また、確保された人的リソースを活用し、ログや稼働データと顧客データや売上情報を組み合わせて分析することで、業務改善や新サービス開発につなげる考えだ。