東京電力フュエル&パワーと中部電力の燃料・火力事業統合により誕生したJERAは、PHONE APPLIが提供するコミュニケーションポータル「PHONE APPLI PEOPLE」を採用した。6月22日、PHONE APPLIが発表した。出身組織ごとに分かれていたアドレス帳を一本化して共通のコミュニケーション基盤を確立し、組織統合に伴う協働の活性化と新たな企業文化の構築を推進する。
JERAは2015年の設立以降、段階的な事業統合を経て組織規模を拡大してきた。2018年当時、約5000人規模への統合を見据える中で、東京電力出身者と中部電力出身者がそれぞれ従来の組織のアドレス帳を継続して利用しており、コミュニケーション基盤が統合されていないことが課題となっていた。出身組織による連絡先の分断は、同社が掲げる対等・互譲精神に基づく新しい企業文化の形成や、将来的なグローバル展開を進める上で見過ごせない問題であり、名前と顔の一致しにくさや、役割の不透明さによる業務への影響も生じていた。また、従来の固定電話を中心とした連絡方法から脱却し、スマートフォンを活用して迅速に連絡を取り合える環境への移行も求められていた。
システム選定では、既存組織への片寄せではなく第三の企業文化を体現するため、全員が同じ土台でつながるクラウド型の製品であることにこだわった。将来的なグローバル展開や組織拡張に対応できる柔軟な拡張性、スマートフォンでの利用を前提とした直感的なユーザーインターフェース、ゼロトラストを見据えたセキュリティ対策が評価された。導入時には、同社の要望に応じて Microsoft Entra ID との情報同期機能を実装。これにより、認証情報の一元管理が可能となり、セキュアで効率的な運用体制が実現した。
導入の効果として、現在はグループ全体のうち世界16カ国、約40社、約6300人を対象とした共通のコミュニケーション基盤が実現し、出身組織の違いを越えた協働が促進されている。スマートフォンとクラウドアドレス帳の組み合わせにより、必要なときにすぐつながれる働き方が定着した。役員が顔写真を見ながら社員に声をかけるなど、社内のデジタル活用やコミュニケーションの活性化に寄与している。さらに、現場の取り組みとして、問題となった共通の番号を迷惑電話として登録して着信時に表示させる運用を開始したところ、社内からの問い合わせが減少し、不要な電話対応の削減や詐欺被害リスクの低減といった業務効率化にもつながっている。
今後は、保健師や災害対策要員、デジタル推進担当者など、複数のExcel台帳で分散管理されている職責や役割情報を同システムに統合し、一元的に検索できる環境を整える。将来的には、関係会社のメンバーとも職責を参照してシームレスに連携できる環境の構築を目指すほか、AIエージェントを活用した問い合わせ対応の自動化など、組織力を高める先進的なコミュニケーション環境の実現を目指す。