Jマテ.カッパープロダクツ、Platio導入で取引先との在庫状況をリアルタイム共有

2024年11月5日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 銅合金メーカーのJマテ.カッパープロダクツは、取引先の在庫状況をリアルタイムに把握するため、ノーコードのモバイルアプリ作成ツールPlatioを導入した。2024年11月1日、アステリアが発表した。

 Jマテは、2022年に経済産業省が定める「DX認定事業者」に上越地域で初めて認定され、デジタル技術を活用した業務効率化や働き方改革に積極的に取り組んでいる。2024年9月にはDX宣言を策定し、業務効率化とDX推進に向けた取り組みを強化した。サプライチェーンにおいてもDX推進を加速させるため、素材の安定供給体制の確立と、銅合金素材を加工する取引先企業との連携を模索していた。

 Jマテは、工場内からスマートフォンでリアルタイムに素材在庫状況を記録・報告できること、プログラミング知識がなくてもノーコードでアプリを作成できることからPlatioの導入を決めた。在庫管理システムを構築し、「入出庫管理アプリ」を作成した。そして、水栓部品や航空機部品を製造する取引先であるカワトとの運用を開始した。

 具体的には、カワトとの情報共有に利用しているkintoneへの情報入力を行うモバイルアプリの構築にPlatioを活用し、「入出庫管理アプリ」をカワトの山口県萩工場に導入した。さらに、RPAツールBizRobo!で、基幹システムからPlatioへのマスターデータの紐づけや、アプリで報告された入出庫情報のkintoneへのデータ連携を自動化した。

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Platioを活用したシステム構成イメージ

 これらの取り組みにより、カワトの萩工場の在庫状況を新潟県に所在するJマテでリアルタイムかつ正確に把握可能となり、素材の安定供給と製造計画の最適化を実現した。さらに、基幹システムの大規模改修をせずに低コスト・短期間で在庫管理システムを構築でき、サプライチェーンDXに貢献している。

 また、紙で記録・報告していたカワトの工場での入出庫処理業務を完全にデジタル化したことで、1回あたりの作業時間を40分に短縮した。その後、アプリの改良によりさらに20分に半減し、現場の業務効率化にも貢献している。

 Jマテ.カッパープロダクツ代表取締役社長の山本耕治氏は「業界や業種を問わず、地元である新潟県の様々な企業と成功事例や課題を共有しながら全社でDXに取り組んでいる。Platioとkintoneを活用したカワトとの取り組みは、私たちが紹介したい成功事例の1つだ。基幹システムを改修することなく、内製開発で企業間データ共有を実現できたことは、多くの企業の参考になると思う」とコメントしている。

 Jマテ.カッパープロダクツ経営企画室 副部長兼DX推進リーダーの西本俊介氏は「カワトとの取り組みは、当社でお客様の在庫状況を把握するだけでなく、お客様の入出庫処理業務のペーパーレス化や効率化に貢献している。入出庫データは相互に共有することで活用価値も高まり、まさにWin‐WinのDX。企業を超えたDXの取り組みに大きな手応えを感じている。また、アプリの作成の容易さから、グループ企業でもPlatio活用の輪が広がっている」とコメントしている。

 Jマテは今後、この「入出庫管理アプリ」を他の取引先にも展開し、素材の安定供給と企業の垣根を越えた現場のDXを推進する。 

ニュースリリース