九州旅客鉄道(JR九州)は、工務部小倉電力区における電力設備の保守・管理業務に、Atlas Directionの遠隔作業支援システム「Atlas Remote」を活用している。8月19日、Atlas Directionが発表した。確認者が現場へ移動せず遠隔で確認や立会いを行える体制を整え、移動負担の軽減や緊急時の早期復旧につなげている。
JR九州は1987年の発足以来、九州全域で23線区、営業キロ2342.6km、596駅の鉄道網を運営している。工務部小倉電力区では、変電設備や電車線路などの電力設備について、昼夜を問わない交代制で保守や管理、施工監視、安全パトロール点検などを担っている。
同区では従来、点検や工事の確認・立会い業務において、作業者とは別に確認者が現地へ向かう運用が基本となっていた。昼夜にわたる交代勤務の中で移動が大きな負担となっていたほか、設備トラブル発生時にも専門知識を持つ担当者が現場近くにいない場合、駆けつけるまでの時間がそのまま復旧の遅れにつながる課題を抱えていた。安全最優先の現場において確認作業そのものは省略できないため、確認の質を保ちながら手順を見直す手段が求められていた。
そこで同区は、Atlas Remoteを採用した。現場作業者が装着したスマートグラスの目線映像と音声をリアルタイムに共有することで、離れた場所にいる確認者が事務所などのモニターを通じて確認や監視立会いを行える環境を構築した。また、専用機器だけでなくPCブラウザやスマートフォンなど多様な端末から接続できる点も評価した。担当者が現場や事務所を離れている状況でトラブルの一報を受けた場合でも、手元の端末から現場映像を確認して即座に指示を出せる体制を整えた。
システム活用により、確認者が現地へ移動することなく確認や監視立会いが可能となった。移動にかかる時間を削減できたことで、限られた人員を本来の保守業務に集中させられるようになった。また、担当者の現場不在時でも手元の端末から支援に入れる体制が確立されたことで、トラブル時の早期復旧にも対応できるようになった。
小倉電力区の担当者は、「昼夜問わず交代制で業務を行っており、確認者が現地に行くことなく確認や監視立会いが可能である。トラブル時に担当者が現場不在の場合でも別端末から現場フォローが確立できるため、緊急時の早期復旧にも対応できる。安全を重視する業務であるため、本サービスの指向性は高いと感じている」としている。