JSOLは、NECの支援によりエヌビディア(NVIDIA)の「NVIDIA仮想GPU(vGPU)ソフトウェア」を活用した高性能シンクライアント環境を構築し、3月に稼働を開始、6月に3000ユーザー規模の全社展開を完了した。7月16日にNECが発表した。シンクライアントならではのセキュリティと運用性を維持しつつ、物理ノートPCに匹敵する快適な利用環境を実現したという。
近年のコロナ禍によるワークスタイルの変化に伴い、Web会議やウェビナーの普及が進んだが、NECによれば、CPU負荷の急増によりシンクライアント基盤の性能が追いつかず、サーバー増設やアプリケーションの最適化機能を導入しても改善しない事象が多発している。JSOLも同様の課題を抱えており、参加者の多いWeb会議でカメラをオフにしたり、時間帯を区切ってウェビナーを分散視聴したりしてきた。
同社は根本的な課題解決に向け、シンクライアント環境のパフォーマンスそのものを向上させる方法を模索。NECの支援を受け、vGPU技術を採用した新たなシンクライアント環境を構築した。具体的には、仮想PCを実行するサーバーにvGPUソフトウェアと「NVIDIA A16 GPU」を搭載し、グラフィックス処理や動画のエンコード・デコード処理をGPUに分散させることで、グラフィックス性能の向上とCPU負荷の削減を実現したとしている。
新たなシンクライアント環境の稼働後は、これまで動作が重く利用が難しかったクラウドサービスを快適に利用できるようになったほか、カメラオンでのWeb会議が可能になり、全社員参加のウェビナーも視聴制限なく快適に視聴できるようになったという。さらに、シンクライアント上での動作検証や最適化対応を待たずに、新しいアプリケーションやサービスの迅速な導入が可能になると見込んでおり、利用用途の拡大も視野に入れる。
ニュースリリースURL
https://jpn.nec.com/press/202407/20240716_01.html