JT生命誌研究館、Google Workspaceと生成AIで研究業務を効率化

2024年12月5日23:44|ニュースCaseHUB.News編集部
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 JT生命誌研究館は、研究データの保管・共有基盤として「Google Workspace」と、生成AIサービス「Gemini for Google Workspace」を採用した。2024年12月5日、吉積情報が発表した。

 JT生命誌研究館は、遺伝子解析技術の進歩に伴い研究データ量が飛躍的に増大する中、従来のファイルサーバー管理体制からの脱却を迫られていた。外部委託していたファイルサーバー管理の契約継続が困難になったことを契機に、クラウドサービスの導入を検討した。

 ストレージ容量とコストを重視し、複数のクラウドサービスを比較検討した結果、アカウント容量を合算して大容量ストレージとして利用できるGoogleドライブの利便性と、コストパフォーマンスのバランスが評価され、Google Workspaceの導入を決めた。

 導入により、大容量の研究データの保管、共有が容易になっただけでなく、「ドキュメント」や「スプレッドシート」などを複数人で同時編集できるようになり、業務全体が効率化した。特に、和歌山県のアドベンチャーワールドとの提携事業では、両社ともGoogle Workspaceを導入しているため、円滑な情報共有とコミュニケーションを実現できた。

 JT生命誌研究館 研究セクター 研究員(室長)の尾崎克久氏は「当初はファイルストレージとして使えればいいと考えていましたが、今では、業務効率化、コミュニケーション改善など、さまざまな効果を実感しており、従業員の満足度は非常に高いです」とコメントしている。

 さらに、JT生命誌研究館は、Google Workspaceの導入と並行して、生成AIサービスであるGemini for Google Workspaceも導入した。著作権侵害補償が付帯されている点と、Gemini 1.5 proの高度な機能が決め手となった。

 Gemini for Google Workspaceは、論文やレポート作成、プログラミング、実験データの解析など、多岐にわたる研究業務で活用されている。特に、サイドパネルでGeminiが利用可能になったことで、内部情報へのアクセスが可能となり、論文執筆時の関連情報参照などが容易になった。尾崎氏は「数週間分の時短になっていると思います。もちろん、最終的な判断は自身の知識をベースに行っています」と、生成AIの有効性を強調する。

 JT生命誌研究館は、今後、Gemini for Google Workspaceをさらに活用し、英語論文作成の効率化などを目指す。尾崎氏は「任せるところは任せて、人間はより創造的な仕事に集中する。それが、これからの時代の働き方なのではないでしょうか」と展望を語った。

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