KDDI Digital Lifeは、自社のスマホブランド「povo2.0」の公式サイトをリニューアルし、運営コストを約62%削減した。9月24日、サイトリニューアルで採用したCMS「SiteMiraiZ」を提供するエートゥジェイが発表した。サイトをスマートフォン利用に最適化したことで、コンバージョン率を3.2%向上させ、直帰率を3%減少させるなど、ユーザーの利便性も高めている。今後は、内製化した運用体制を生かし、データに基づいたサイト改善を継続していく。
povo2.0は月額基本料金が0円のオンライン専用スマホブランドとして、2021年9月にサービスを開始した。しかし、サービス開始から3年半が経過し、公式サイトにはいくつかの課題があった。サイトはPC利用を前提に設計されていたが、アクセスするユーザーの7~8割がスマートフォンからであったため、スマホユーザーに最適化されていない点が課題だった。また、サイト運営を外部代理店に依存していたため、ページの修正や公開に時間とコストがかかっていた。サイトの構造も複雑で、URLルールが統一されておらず、検索エンジンの評価にも影響が出ていた。
これらの課題を解決するため、KDDI Digital Lifeは「スマホファーストのUI/UXへの刷新」「運用の内製化によるコスト削減とスピードアップ」「サイト構造の整理によるユーザビリティ・SEO強化」を目的としたCMSの導入を検討。直感的な操作性、高いセキュリティ、柔軟なカスタマイズ性を備えるSiteMiraiZを採用した。SiteMiraiZは自社開発のCMSであるため、トラブル発生時の対応が迅速である点や、厳格なセキュリティ要件を満たせる点も評価した。
リニューアル後、公式サイトはスマートフォンでの閲覧に最適化され、分かりやすいメニュー構成を実現した。これにより直帰率は従来比3%減少し、コンバージョン率は3.2%向上した。また、これまで外部代理店に依頼していたサイト運用を内製化したことで、運営コストを約62%削減。社内での更新や公開作業が容易になり、情報発信のスピードが大幅に向上している。見出しやURLのルールを整理したことで、検索エンジンからの評価も高まり、検索経由の訪問者も増加した。
今回のプロジェクトを指揮したKDDI Digital Lifeの担当者は、「リニューアル後数カ月運用しているが、直感的で使いやすいCMSでコーディングの手間が大幅に削減された点は大きなメリットだ。代理店への依存から脱却したいと考えている企業には、SiteMiraiZは非常におすすめできる」とコメントしている。今後は、今回のリニューアルで生まれた時間を活用し、データ分析に基づいたサイト改善にさらに注力していく。