KDDIアイレットは4月20日、タレントアンドアセスメントが提供する対話型AI面接サービス「SHaiN」を採用したと発表した。同日よりキャリア採用の一次選考プロセスで本格運用を開始し、採用候補者の体験改善と採用品質の向上を図る。
クラウドやAIに強みを持つシステムインテグレーターであるKDDIアイレットは、近年、人材採用を強化している。一方で、同社のキャリア採用における従来の一次選考では、面接官ごとの評価のばらつきや、日程調整に伴う採用候補者側・採用側双方の工数負担が課題となっていた。加えて、時間や地理上の制約も、採用候補者にとっては選考に進む際の大きな障壁だったという。これらの課題を解消し、より公平で候補者にとって負担の少ない選考の仕組みを整備するとともに、データに基づく評価で採用のミスマッチを防ぎ、優秀なIT人材の獲得機会を最大化すべく、AIを積極的に活用することを決めた。
同社が採用したSHaiNは、単なる録画面接ツールではなく、対話型のAIが面接官として機能するサービスだ。24時間365日いつでも受験可能なため、候補者は日程調整の手間なく自身にとってベストのタイミングで面接に臨むことができる。また、東京大学大学院との共同研究によって開発されたAIを基盤としており、欧州連合(EU)のAI包括規制法への準拠を表明するなど、公正性と信頼性の確保を重視している点も特徴だ。面接官の偏見を排除した、統一基準による客観的な評価が可能になるという。
KDDIアイレットは2025年11月から同サービスを段階的に試験運用しており、すでに一次選考にかかる期間を約5日短縮する成果を上げている。AIの分析結果は、候補者のカルチャーフィットや入社後の活躍予測などのデータとして可視化されるが、AIが選考の合否を決定することはないという。提出された映像は必ず採用担当者が直接確認し、AIのデータを参考情報の一つとして活用しながら、候補者の価値観やポテンシャルを総合的に判断するとしている。
同社経営企画本部人財戦略部採用セクションリーダーの石田篤志氏は、「AIを活用することで偏見やブレをなくし、一人ひとりのスキルやカルチャーフィットをデータとして精緻に可視化する。候補者がこれまで積み上げてきた確かな実力を正当に評価するためのAI活用だ」と導入の狙いを説明する。その上で、「どれほど技術が進化しても、最終的な合否の決断は必ず人が直接行う。AIというテクノロジーと、人による真剣な向き合いを掛け合わせた選考に、プロとしての誇りをぶつけてほしい」と話している。