武州製薬、kickflowで稟議を電子化 現場主導の運用とITガバナンスを両立

2026年3月16日20:23|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 武州製薬は、医薬品受託製造開発(CDMO)における申請・承認業務の効率化を目的に、クラウド型ワークフローシステム「kickflow」を採用した。3月12日、kickflowが発表した。紙やExcelを用いた従来の運用から脱却し、意思決定の迅速化を図るとともに、現場部門が自らワークフローを構築できる体制を整えた。

 武州製薬は国内大手の医薬品受託製造企業であり、製剤から包装までを一貫して手がけ、世界56カ国へ製品を供給している。同社ではデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中、申請業務の多くが紙で行われている点が課題となっていた。一部で電子印鑑システムを導入していたものの、紙の申請と電子押印が混在していたため、承認進捗を一元的に管理できず、書類の紛失リスクや意思決定の停滞を招いていた。

 システム選定にあたっては、約10製品を比較検討した。最終的にkickflowを採用した理由は、直感的に操作できるユーザーインターフェース(UI)を備え、IT部門以外の現場担当者でもワークフローを内製できる点を評価したためだ。また、頻繁な組織変更にも柔軟に対応できる「組織予約機能」や、ライセンス費用のみというシンプルな価格体系も決め手となった。

 導入プロジェクトでは、まず重要度の高い購買部門の投資予算申請などから置き換えを開始した。管理職層から段階的に利用範囲を広げ、現在は人事や経理関連の申請にも活用している。当初はIT部門が管理権限を集中させていたが、運用の拡大に伴い、現場部門が自走できる体制へと移行。ITガバナンスを維持するため、運用ルールのガイドライン策定や権限管理ポリシーの再設計、標準マニュアルの整備を徹底した。

 導入の効果として、申請ステータスの可視化により承認の停滞が解消された。申請者は進捗をリアルタイムで把握できるようになり、承認者も必要な情報に即座にアクセスできるため、承認品質の向上につながっている。管理者側では監査ログによって操作履歴が明確になり、医薬品製造に求められる厳格なデータ整合性の観点からもセキュアな運用基盤を確立できた。

 武州製薬IT部ビジネスソリューショングループの戸島氏は、「ワークフローという選択肢が増えたことで、紙オンリーの社内文化を変えることができた。申請のステータスが可視化され、業務の透明性が向上した」と話す。同じく同グループの小林氏は、「現場が自律的にワークフローを構築したいというニーズに対し、ITガバナンスを効かせつつ自走できる体制を目指した。今後も安定運用の基盤として活用を推進したい」と述べている。

 武州製薬は今後、小さな成功体験を積み上げながら現場を巻き込み、コーポレート部門全体の業務標準化とDXをさらに加速させる考えだ。

ニュースリリース