沖縄電力は、サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」を全社基盤として活用している。8月4日、サイボウズが発表した。情報システム部門による統制と現場主導の開発を両立させ、ワークフロー業務における年間6万件の書類業務ゼロや、1万5000時間の業務時間削減につなげている。
沖縄電力は、中期経営計画に掲げる「まずやってみる・変えてみる」という方針のもと、デジタルトランスフォーメーション(DX)や業務プロセスの見直しを進めてきた。一方で、社内の情報共有基盤として長年利用してきたグループウェアのサポート終了が迫っていたほか、同基盤上に似た名称や機能のアプリケーションが乱立し、運用やデータ活用における課題が顕在化していた。
そこで同社は、既存基盤上で作り込んだ独自の業務アプリを再現できる柔軟性を備え、社員自ら業務改善に取り組め、かつ日本の商習慣に適合するワークフローを構築できる点からkintoneを選定した。
アプリやデータベースの乱立を防ぐため、導入当初は情報システム部門とグループ会社がアプリ開発を一手に担う体制を整備した。その後、開発需要の高まりを受けて2023年に現場でのアプリ開発を解禁。社内勉強会の開催や技術的なガードレールの設置を行うとともに、アプリ作成を申請制とし、リリース時には情報システム部門による設定を必須とするなど、統制と現場の裁量を両立させた。
全従業員が利用するワークフローの刷新により、承認リードタイムが多くのケースで半分以下に短縮され、年間6万件の書類業務の削減と1万5000時間の業務時間削減を達成した。また、電柱の建て替え工事における社外関係事業者との調整作業でもkintoneの連携サービスを活用し、年間約300時間の作業時間を削減。伝達漏れや手戻りの発生も解消された。これらの仕組みはグループ会社にも順次展開されている。
今回の取り組みについて、沖縄電力でDXを推進する担当者は、「kintoneの導入により、単なるペーパーレス化にとどまらず、承認プロセスの迅速化やデータの一元管理といった業務プロセスの抜本的な改革が実現できた。現場社員が自律的に業務改善を進められる文化が定着しつつあり、全社的な業務効率化に大きく寄与している」とコメントしている。
今後は、kintoneの最適化と整理を進め、サプライチェーン全体での業務効率化を図りつつ、持続可能な環境づくりを目指す。さらに、日常業務を通じて蓄積される構造化データを活用したAI技術の適用も視野に入れている。