埼玉県庁は、部局横断の業務改革と情報連携の基盤として、サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」を採用した。5月22日、サイボウズが発表した。従来、200を超える課所でメールやExcelファイルを用いて行っていた照会回答業務を見直し、全職員約1万3000人が利用する基盤として運用している。
埼玉県では、「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画」に基づき、段階的にデジタル化を進めている。現在は、デジタル技術の活用により業務の進め方を見直す「TX(タスク・トランスフォーメーション)」を中心とした段階にある。
従来は、部門をまたいだ企業訪問履歴や対応状況の共有手段がなく、情報が各課に分散していた。また、各種計画の進捗管理や情報収集では、Excelファイルを添付したメールのやり取りが複数の階層で繰り返され、業務負担が課題となっていた。
これを受けて同庁は、ノーコードで柔軟に構築できるデータベース基盤の検討を進めた。複数部門にまたがる承認フローへの対応、課所ごとのアクセス権限設定、レコード単位でのコメント機能などを踏まえ、kintoneを採用した。また、クラウド利用を前提としたネットワーク構成「β'(ベータダッシュ)モデル」が整備されていたことも導入の背景にある。
導入は500ライセンスによる一部業務から開始し、段階的に対象を拡大した。現在は全職員約1万3000人にライセンスとアプリ開発権限を付与している。現場で作成し、行政・デジタル改革課が確認したアプリは200以上となっている。
活用例として、「埼玉県5か年計画」の進捗管理や、新規事業の提案管理がある。事業提案では、企画部門に加えて財政部門も同一データを参照できるため、個別のメール確認を減らす運用としている。また、職員からの相談記録を蓄積するアプリにより、過去の対応履歴を共有し、類似案件への対応の効率化を図っている。
今後は、Excelで運用している照会回答業務のkintoneへの移行を進めるとともに、蓄積データの活用による政策立案への展開を検討している。