トヨタL&F、AIでフォークリフトの安全運転評価 富士通のFujitsu Kozuchiを活用

2024年9月9日08:50|ニュースリリース公開日 2024年7月23日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 豊田自動織機の社内カンパニーであるトヨタL&Fカンパニー(トヨタL&F)は7月23日、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」を活用して、フォークリフトの安全運転をクラウド上で評価するサービス「運転動画AI解析」を開発したと発表した。トヨタL&Fが提供する物流現場向けサービス群「FORKLORE(フォークロア)」で利用できる。

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「運転動画AI解析」の利用イメージ

 工場や物流倉庫など、人や物が行き交う場所で多く使用されるフォークリフトのオペレーターには安全運転が求められる。近年では、フォークリフト用ドライブレコーダーをオペレーターの安全運転評価に活用する企業が増えているが、記録映像の確認に膨大な時間がかかることや、評価のばらつきが課題になっていたという。

 フォークリフトのトップメーカーであるトヨタL&Fは、製品の開発や販売だけでなく、データ活用にも取り組んできた。2021年には、物流現場のさまざまな機器をインターネットに接続し、稼働状況や使用状態などのデータをクラウド上で収集、蓄積、分析して顧客の現場改善をサポートするサービス群「FORKLORE」をリリース。ドライブレコーダーのデータを基にフォークリフトの稼働状況や記録映像をWeb上で閲覧できたり、フォークリフト用リチウムイオンバッテリーの使用状況を可視化できたりするサービスを提供する一方で、サービスラインアップの拡充にも取り組んできた。

 今回開発した運転動画AI解析は、Fujitsu Kozuchiが提供する高精度の画像解析技術を活用したとしている。フォークリフトの旋回、走行や、フォークの動き、オペレーターの安全確認動作などを学習したAIが、ドライブレコーダーの映像をクラウド上で解析。安全を阻害する可能性があるオペレーターの操作のうち、「走行荷役同時操作」「後進時指差し確認不良」「前後進切替時一時停止不良」「急旋回」を自動検出する。検出した部分のみを抽出して閲覧できるほか、各オペレーターの操作の安全性を成績表の形で表示する。

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解析結果の閲覧画面。安全を阻害する可能性がある操作を検知し、その種類をアイコンで表示している
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安全運転成績表では安全を阻害する可能性がある操作の検出結果を種類別にスコア化する

 顧客は運転動画AI解析を使うことで、映像確認時間を削減して安全運転評価業務を効率化できるほか、評価のばらつきも平準化でき、オペレーターの安全意識向上を促進できるという。また、富士通は将来的に、蓄積したデータを「Fujitsu Data Intelligence PaaS」のデータ分析機能で可視化し、さらなる付加価値創出を目指すとしている。

ニュースリリースURL
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/07/23.html