プロバスケットボールチーム「京都ハンナリーズ」を運営するスポーツコミュニケーションKYOTOは、リピーター創出のCRM施策として、Micoが提供するLINE会員証ミニアプリ「ミコミー」を活用している。9月18日、Micoが発表した。来場者個別のデータ取得と継続的なコミュニケーションを実現し、ファンベース拡大につなげる狙いだ。
京都ハンナリーズは、2026年のB.LEAGUE新体制移行や28年の新アリーナ建設を控え、1試合あたりの来場者数を現在の倍以上となる約9000人とする目標を掲げている。その達成に向け、「リピーターからの紹介・同行による新規来場者の拡大」を重点施策としている。
しかし、従来の会員制度では、チケット購入者の同行による来場者データが取得できず、顧客属性や来場のきっかけなどのデータが把握できないことが課題だった。そこで、ライトな来場者層のデータを正確に把握し、効果的なファン育成施策を推進するため、ミコミーの導入に至った。
ミコミーは、試合来場時のLINEチェックインを可能にする機能を持つ。来場者は会場に設置されたQRコードを自身のスマートフォンで読み込むことでチェックインを完了し、LINE会員に登録できる。この仕組みにより、これまで把握できなかったライトな来場者層の属性や来場頻度などの個別データを可視化できるようになった。ミコミー経由のLINE登録数は、導入から数カ月で4000人を超えている。
スポーツコミュニケーションKYOTOの髙橋弦氏は、「ミコミー導入により、2028年までに8000人集客という目標達成へ大きく前進できると期待している」と話す。導入後には、チェックインで取得した来場履歴に基づき、試合後に次回試合情報や関連イベントの案内などをLINEメッセージで配信し、リピート率向上とファン育成を推進している。
試合会場だけでなく、年間を通じて開催されるオフサイトイベントや地域活動でも、ミコミーのチェックイン機能が活用されている。これにより、イベントを通じて関わる地域住民や協賛企業などの情報をLINEと紐づけて取得・管理できるようになり、試合観戦以外のタッチポイントで出会った人々との関係構築にもつなげている。
髙橋氏は、「LINE会員数とLINE会員からB.LEAGUE会員登録に至った人の突合ができれば、B.LEAGUE会員登録というハードルが高いお客様に対して、まずLINEミニアプリに登録してもらい、公式アカウントでコミュニケーションを取りながらB.LEAGUE会員に転換する、という数字を追うことができる」と語る。ミコミーの導入は、社内全体で「ファンを増やす」という共通目標を認識するきっかけにもなっている。