新日本製薬、データ基盤刷新でLTV最大化へ AI活用しOne to One施策を高速化

2025年12月9日19:44|ニュースCaseHUB.News編集部
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 新日本製薬は、顧客生涯価値(LTV)の最大化に向けた施策実行の高速化を目的に、データマーケティングクラウドシステム「b→dash」を採用した。12月8日、b→dashを運営するデータXが発表した。従来のマーケティング運用環境における課題を解消し、AIを活用した高度な分析と施策の自動化によって、顧客一人ひとりに適したマーケティングを強化する狙いだ。

 新日本製薬は、「美と健康の『新しい』で、笑顔あふれる毎日をつくる。」というパーパスのもと、主力スキンケアブランド「パーフェクトワン」をはじめとするヘルスケア・ビューティケア商品を展開している。同社は顧客からの長期的な支持に基づくLTVの最大化を経営の最重要事項の一つに掲げている。

 これまで同社は、LTV最大化戦略を推進するための運用環境において、いくつかの課題を抱えていた。具体的には、MA(マーケティングオートメーション)ツールにおける自動化や最適化、顧客行動の把握と活用に関して、精度の向上が求められていた。また、施策や分析を高度化する余地も残されており、機会損失の低減やコスト効率の向上が急務となっていた。

 こうした課題を解決するために採用したのがb→dashだ。採用の決め手として、同社は大きく3つのポイントを挙げている。1つ目は、顧客行動に応じた「One to One」のアクションに注力できる点だ。b→dashはAIを活用した高度な分析機能を備えており、解約予兆の検知やロイヤル顧客の行動パターンの算出が可能だ。これにより、精度の高いシナリオ設計が可能となり、顧客一人ひとりに最適化されたマーケティング施策を展開できると判断した。

 2つ目は、工数の大幅な削減と迅速なPDCAサイクルの構築が見込める点だ。b→dashはSQLなどの専門知識がなくても操作できるノーコードツールであり、自由度の高い運用が可能である。これにより、情報システム部門などに依存せず、マーケティング部門主導でデータ分析と施策実行の環境を構築できる。分析のスピードと精度を高め、迅速にPDCAを回せる体制の確立を目指す。

 3つ目は、十分なセキュリティ対策が施されている点だ。b→dashは、ISMSなどの国際認証の取得に加え、AWSとSnowflakeを基盤とした堅牢なインフラを備えている。プライバシーマーク認証も取得しており、データの機密性、完全性、可用性を高い水準で保護できる点を評価した。

 新日本製薬は今後、b→dashを活用して分散していた全顧客データとWeb行動データを統合し、安定かつ拡張性のあるインフラを整備する方針だ。この強固なデータ基盤の上で、AIによる高度なターゲティングと施策の自動化を実現することで、顧客維持率の向上とロイヤル顧客の育成を図り、安定的な収益化を目指す。同時に、AIを活用した業務効率化によって運用コストを削減し、LTV最大化という事業戦略を加速させる「AIドリブンなマーケティング」へと進化させていく考えだ。

ニュースリリース