「カメラのキタムラ」を運営するキタムラは、CRM・マーケティング部門とEC部門が別々に検討していたMA・Web接客ツールを、Reproのマルチチャネル統合MA「Repro MA」に一本化した。10月8日、Reproが発表した。店舗とECの体験を統合する「OMO(Online Merges with Offline)」を全社方針に掲げる同社は、現場のメンバーが管理画面を自分で操作する運用体制に移った。
キタムラは、OMOを全社方針として、店舗とECの体験の統合を進めている。購入の時点で初めて顧客が見える「購買起点」のCRMから、商品を検討する段階から顧客とつながる「情報接点」へ広げ、顧客に合った提案をするコミュニケーションを目指す。
見直しの前、同社は本部機能のキタムラと、店舗・EC機能のカメラのキタムラに分かれており(2026年10月1日付で統合)、CRM・マーケティング部門とEC部門が、それぞれ別の課題を抱えて、別々にツールを検討していた。CRM側では、MAツールを使うことそのものにハードルがあった。配信対象の選定には、SQLを書ける人がいないとデータを抽出できず、マーケターやEC担当者だけでは完結しなかった。海外製のツールで、為替変動の影響から利用コストも年々上がっていた。EC側は、店舗と同じ接客をWebでも再現したいと考え、Web接客ツールでできることを広げたかった。運用は企画から実装まで外部に任せきりで、どの施策が成功し、どれが失敗したかという知見が、社内に蓄積されていなかった。
MAツールの見直しは、2024年11月に始まった。方針の策定に約半年をかけ、2025年4月に複数社のコンペを始めた。CRM側がRepro MAに決めようとしていた時期に、EC部門も別の稟議でWeb接客ツールを比べており、最有力候補が、Repro MAのWeb接客パッケージ「Repro Web」だと分かった。二つのプロジェクトは導入の直前に合流し、マーケティング・CRM側の予算でまとめて持つことにした。決め手は、使いやすさとコスト、コミュニケーションの質を、総合的に判断した結果だという。CRM側のプロジェクトマネージャーは、部門を越えて関係メンバーの一人ひとりにヒアリングを重ね、意見や懸念を集約して合意をまとめた。
Reproのレクチャーを受け、現場のメンバーが管理画面を操作する体制に移った。EC部門は、配信の設定まで自分たちで完結でき、どんな行動データが使えるかを理解して、行動データに基づく施策を提案できるようになった。ツールが統一されたことで、CRMチームとECチームが、同じ定例ミーティングに参加し、互いの課題を知る機会が増えた。CRM側で考える施策と、ECサイト上の施策を連動させやすくなっている。
今後は、店舗とECの連動を強める。現在は、メールとLINEが本部からの一括配信中心で、店舗が企画して直接配信する機能はなく、店舗が直接情報を発信できる環境を整えて、本部と店舗で相互に送客できるようにしたい考えだ。CRMとしては、リピート率と顧客生涯価値(LTV)の向上を目指す。
キタムラCX統括本部マーケティング部CRMグループの野間彩花サブマネージャーは「社内の一人ひとりのメンバーの仕事が、ツールのリプレイスによって楽になり、会社にとってもメリットがあるものにならなければ意味がない。それを達成することが私の使命だと考えていたので、この導入プロジェクトでは『誰も置いていかないこと』に気を付けていた」と話している。