「9090」など、Z世代に支持されるアパレルやコスメの35ブランドを展開するyutoriは、ディグルの経営管理プラットフォーム「Diggle」を2025年から使い、全社の着地見込を週次で更新する体制を整えた。10月8日、ディグルが事例を公開した。表計算ソフトで管理していた当時は、全社の見込の集計に2週間ほどかかっていた。現在は、ブランド責任者やマーチャンダイザー(MD)が、自分で数字を分析している。
yutoriは2018年の創業で、M&Aや新ブランドの立ち上げを進め、2023年12月に東証グロース市場に上場した。35ブランドと60拠点以上の店舗を持ち、各ブランドには、PL(損益)の責任を持つMDを置く。経営企画は梅田氏の1人で、予算の策定から着地見込の管理、差異分析、全社の経営数字の報告まで担う。
以前は、ブランドごとにコンサバティブとアグレッシブの二つのシナリオを作っていたため、シートの数はブランド数の約2倍になっていた。全社の着地見込は、各ブランドの担当者の入力を集める必要があり、集計に2週間ほどかかり、週次や月次の定期的な更新はできなかった。ブランド責任者やMDには店舗出身者が多く、表計算ソフトに不慣れで、関数の破損やエラーのたびに梅田氏が修正していた。数字を更新すると以前の数字が上書きされ、過去の見込との比較や、見込の変化を追うこともできなかった。上場後はじめての予算策定で、40弱のブランドを積み上げる物量に限界を感じ、専用の予実管理システムの検討を始めた。
他のシステムも比べたが、子会社のheart relationがすでにDiggleを使い、使い勝手が好評だったため、グループ全体で使うことを決めた。意思決定は早かった。定着では、会議の資料をできるだけDiggleの画面に集約し、画面を見ながら会話した。代表が会議でレポート画面を見て評価したことも後押しになり、今では、ブランド責任者やMDが自分でDiggleを更新している。
毎週月曜日の営業会議に合わせて、着地見込を更新する流れが定着した。現場のブランド責任者やMDは、自分が見たい軸と粒度で数字を確認でき、スナップショットが残るため、先週からの見込の変化も追える。数字をもとにした議論も活発になり、あるブランドの売上が伸び悩む場合に、どのブランドなら伸ばして全社の予算を達成できるかといった意思決定を、機動的に行えるようになった。ブランドの立ち上げや撤退のシミュレーションとバージョンの比較も簡単にできる。一つの店舗で複数のブランドを扱う場合は、売上の割合に応じて店舗の費用をブランドに按分し、そのブランドで本当に利益が出ているかを把握できる。
月次の締めの後、数字を社内に展開するまでの期間は、1~2営業日ほど短くなった。予実管理に関する作業時間も、数十時間ほど削減できたという。浮いた時間で、本社各部門の業務改善やコーポレートITの業務に取り組めるようになった。
経営企画の梅田氏は「Diggleがなければ、今取り組んでいる業務改善やコーポレートITの業務までは、できなかっただろうと思う」と話している。