ファインシンター、財務会計をクラウドへ移行 支払処理と帳票作成を効率化

2026年10月9日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 金属粉末を成形・焼結して作る自動車用部品などを手がけるファインシンターは、約10年使ってきたオンプレミス型の財務会計システムを、キヤノンITソリューションズの財務会計システム「SuperStream-NX」に刷新し、クラウドへ移行した。10月8日、キヤノンITソリューションズが発表した。導入パートナーはシーアイエスで、限られた社内の人員でも、短期間で移行できた。支払処理や、Excelで行っていた帳票の作成・分析の負荷が減り、現在は本社と子会社の約40人が使っている。

 ファインシンターは、粉末冶金のパイオニアとして、自動車や鉄道車両、産業機械などの部品を製造・販売している。使っていた財務会計システムは更新の時期を迎え、後継の上位システムの提案を受けたが、機能が大きく変わらないのに、コストは想定以上に増えることが分かった。多くのアドオンを実装していたため、新しいバージョンにそのまま引き継げず、将来のバージョンアップの負担も課題だった。財務諸表の作成には、システムの外でExcelによる加工が必要だった。

 社内でDXを進める部署からは、事業継続の観点で、クラウドへの移行を念頭に検討するよう助言があった。経理部門は、機能よりも「業務の標準化と効率化」「管理の高度化」「働き方変革」を重視し、システムを選んだ。

 複数の製品を比べ、SuperStream-NXを選んだ。同社は、基幹システムの実績データを会計向けに変換する中間システムを運用しており、この環境を引き続き使うことが前提だった。中間システムを運用するベンダーから紹介を受けたのがSuperStream-NXで、機能面は各製品に大きな差がなかった。決め手は、直感的な操作性と中間システムとの連携性、コストと機能のバランスに加え、シーアイエスの支援体制だ。経理部門とDX推進部門は、通常業務と並行して移行を進める必要があり、人員を補って伴走するパートナーが不可欠だった。

 現在は、統合会計の総勘定元帳に加え、支払管理と固定資産のモジュールを使う。東北にある子会社でも、同様の従来環境からSuperStream-NXに入れ替えた。本社の経理部門だけでなく、全国の工場の管理室メンバーも仕訳を入力する。経費精算や仕入れ、販売管理は別のクラウドサービスを使い、その情報を中間システムでSuperStream-NXの形式に変換して取り込む。

 クラウドへの移行で、システム運用のリスクが減り、万一の際もリモートで原因を特定できるようになった。以前はExcelで行っていた相殺処理は、仕訳の形で入力して支払を調整でき、支払業務が効率化した。帳票から詳細へドリルダウンでき、画面上でデータを並べ替えて、Excel、CSV、PDFで出力できるため、後の加工の負荷が減った。フィルター条件を設定すれば、必要な帳票を同じ形式で出せ、業務の引き継ぎもしやすい。メニューの名称が分かりやすく、新しいメンバーへの教育の負担も抑えられる。シーアイエスの支援は、移行時に業務に踏み込んだもので、日常の問い合わせにも、契約者向けのオンラインヘルプで数分のうちに応答がある。

 今後は、AIも使いながら、集計作業やチェック業務を減らしていく考えだ。電子承認は、仕訳の登録と証憑のPDF化で、画面上で完結する仕組みが整っているが、仕訳登録後に帳票を出力して承認する従来の運用も一部残っており、画面上で承認が完結するフローへ移していく。Excelで行っている管理会計は、中間システムと連携する経営管理システムを整えて、別の環境で分析できるようにし、必要な経営資料をリアルタイムに見られる環境を目指す。

 経理部の田中俊和部長は「本来であれば、考える業務や創造的な業務に時間を充ててもらいたいが、現状は実務作業に追われているメンバーが少なくない。できるだけ業務の効率化を進め、AIなども活用しながら、集計作業やチェック業務などはできる限り削減していきたい」と話している。

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