MAYB3は、自動車販売業の顧客が抱えるデータ転送業務の効率化を目的に、AI-OCRエニートレ(AI inside)の「DX Suite」を採用した。AI insideが発表した。手書き文字やFAXの読み取り精度を向上させることで、複雑な英数字の入力ミスを解消し、業務負担を大幅に軽減した。
静岡県浜松市でITコンサルティングやシステム開発を手掛けるMAYB3は、顧客企業の業務プロセスをツールやシステムの組み合わせで最適化する支援を行っている。今回の導入対象となった自動車販売業の顧客では、オークションの精算書や売買契約書といった紙やFAXで届く書類を、担当者が複数のExcelファイルへ手入力で転記していた。
販売台数の増加を目指す一方で、人員を増やさずに業務を回したいという顧客の要望があり、転記業務の自動化が急務となっていた。特に車台番号のような10文字から20文字に及ぶ長い英数字を手入力する際、転記ミスが発生しやすいことが課題だった。
MAYB3は当初、別の案件で他社のAI-OCRを利用していたが、システムの仕様変更に伴う読み取り精度の低下に課題を感じていた。新たなソリューションを検討していたところ、顧客が展示会で見つけてきたDX Suiteの存在を知り、トライアルを実施した。
採用の決め手となったのは、手書き文字に対する圧倒的な読み取り精度だ。自動車の売買契約書には、納車直前に車台番号を手書きで追記する場合があるが、DX Suiteはこうした文字も正確に認識した。また、FAX特有のかすれた文字や、スキャン時に傾いた帳票でも高い精度を維持できる点に加え、元画像と読み取り結果を同一画面で比較できる操作性の良さも評価のポイントとなった。
導入後の運用では、顧客が書類をPDF化してMAYB3に送付し、同社がDX Suiteでデータ化するフローを構築した。主に項目抽出機能を活用し、必要なデータのみを抽出して目視チェックを行った後、独自開発の集計システムに連携している。
導入効果は顕著に現れている。月間300枚から500枚にのぼる書類処理において、導入から約半年間で車台番号の入力ミスによるエラー報告は一度も発生していない。確認作業にかかる時間も、1日あたりわずか数分程度まで短縮された。顧客側にとっても、複雑な転記作業から解放され、PDFを送るだけで済むようになったことで、本来注力すべき業務に集中できる環境が整った。
MAYB3代表の三石正宗氏は、手書き書類のデータ化に課題を抱える企業にとって、DX Suiteは強力な味方になると指摘する。今後はAPI連携を活用してアップロードやダウンロードの工程も自動化し、自社システムとシームレスに接続する計画だ。また、建設業や医療分野など、依然として紙の書類が多く残る他業種に対しても、同ツールを用いた業務改善を提案していく。