ステアリテールは、新会社の立ち上げに伴う営業管理体制の再構築と、データに基づく自律的な意思決定環境の整備を目的に、営業DXプラットフォーム「Mazrica」シリーズを採用した。7月7日、ツールを提供するマツリカが発表した。2026年4月より本格運用を開始し、独自開発ツールによる報告手間の解消や、約15万件の顧客データを活用した戦略的なアプローチ体制の確立を進めている。
ステアリテールは、NECプラットフォームズのPOS関連事業を承継し、2025年8月に発足した企業である。飲食店、ガソリンスタンド、小売店向けに、フードサービス向けの「FoodFrontia」やPOS端末の「TWINPOS」シリーズといったPOS・ICT関連機器やシステムを、企画・開発から営業、保守まで一貫して提供している。
同社は新会社としてスタートするにあたり、自社の体制に適した営業管理の仕組みを新設する必要があった。発足当初は一時的に独自開発ツールで運用していたが、日々の報告や管理に多くの手間がかかり、現場および管理側の双方で業務負担が大きい状態だった。また、入力される情報の精度にばらつきがあり、それをもとに作成する報告資料や集計資料の正確性にも課題が生じていた。さらに、案件や顧客とのやり取りが十分に管理されておらず必要な情報が活用しきれないだけでなく、今後の組織を担う30代・40代の次世代マネジメント層が、データに基づいて経営資源を有効活用し、迅速な判断を下せる環境が整っていないことが最大の課題となっていた。
こうした課題を解決するため、同社は複数のツールを比較検討した結果、「営業活動の可視化」と「営業の土台として長く使える将来的な拡張性」を最も高く評価し、「Mazrica」シリーズの導入を決めた。画面がわかりやすく顧客・案件情報をまとめて扱える利便性に加え、AIを搭載した企業データベース「Mazrica Target」により、アプローチ前に顧客理解を深めた提案が行える点も選定の後押しとなった。
導入にあたっては、「Mazrica Sales」の案件ボードを活用し、「流通」「SS(ガソリンスタンド)」「パートナービジネス」の三つの案件タイプに切り分けて管理を開始した。代理店経由が多く営業プロセスの起点が異なる「パートナービジネス」など、チームごとのプロセスに応じた独自の管理ができる機能は現場でも高く評価され、すでに数千件の案件データ登録を完了している。さらに、本社・支店などの親子関係を含む階層構造に対応した約15万件の取引先データをインポートし、アプローチすべき関連企業の絞り込みや親会社単位での売上把握ができる体制をスムーズに構築した。
導入の効果として、散在していた営業の状況や案件の進捗、顧客情報が一元化され、営業活動の全容がリアルタイムに見える化した。これにより、報告・集計業務など間接業務の効率化による業務生産性の向上が図られたほか、蓄積されたデータをもとに次世代リーダーがスピード感を持って意思決定や有益なコミュニケーションを行える基盤が整った。
同社のリテール事業本部で本部長代理を務める岡野宏氏は、製品納入後も長期にわたり顧客との関係が続くビジネスモデルだからこそ、過去の案件や顧客接点情報を活かした持続的な事業運営が重要であると言及。現在は経営管理本部での事業計画や数字把握、リアルタイムな経営改善に活用するための分析基盤「Mazrica BI」の構築を計画しており、2026年6月末までの初版作成と会計システム連携を視野に、さらなる顧客満足度向上と営業全体の活動生産性向上を推進していく。