SMBC日興証券は、ミッションクリティカルな金融サービスの継続性と耐障害性向上を目的に、KongのAPI管理プラットフォームを採用した。9月25日、Kongが発表した。システムの俊敏性と堅牢性を両立させ、安定した金融サービスの提供とDXの加速を目指す。
今回、Kong製品を導入するのは、個人投資家向けオンライン取引サービス「EZトレード」と、社内APIマネジメント基盤の2領域だ。EZトレードにおけるAPI活用では、モノリシックなシステム構造からの脱却と機能分離、認証機能の独立による柔軟なサービス連携、重複機能の統合による開発生産性の向上などを狙う。
社内APIマネジメント基盤としては、クラウドネイティブな技術の採用やマルチクラウド化を進める中で、レガシー環境からの円滑な移行を支える役割を担う。将来的な全社でのAPI活用に対応できる拡張性と信頼性、社内外向けのAPIを統合管理できる点を評価した。
API管理製品の選定にあたっては複数製品を比較検討した結果、Kongの機能性や拡張性、運用性を総合的に最も高く評価したという。ゼロダウンタイムでの運用や高可用性、セキュリティを標準で備えたエンタープライズ向けの設計である点や、Kongの日本法人による技術支援体制も採用の決め手となった。
今後は、今回導入したAPI管理プラットフォームを次世代API基盤として発展させ、金融インフラに求められる高い可用性と俊敏性の両立を目指すという。将来的にはデータ活用や生成AIとの連携も視野に入れたIT基盤に進化させたい意向だ。また、導入プロジェクトでは、SMBC日興証券の主要システム群の開発・運用を担うグループ会社で、証券・金融分野のITサービスを提供する日興システムソリューションズが中核的な役割を担っている。プロジェクトの成果をグループ企業や金融業界全体に展開する可能性も視野に入れる。
SMBC日興証券 執行役員 システムの吉岡伸輔氏は、「当社は堅牢かつ高可用性を備えた金融インフラを支える企業として、安定性と柔軟性を兼ね備えた高品質のシステム基盤構築を行っている。今回採用したKongのAPIプラットフォームは、変化の激しい市場環境に対応するための新たなアーキテクチャの要の一つとして高く評価・期待している」とコメントしている。