ベルクは、財務経理部門の業務改革を目的に、メタップスホールディングスが提供する業務管理ツール「mfloow(エムフロー)」を採用した。12月10日、メタップスホールディングスが発表した。従来の紙や表計算ソフトによる管理から脱却し、決算業務の早期化と部内のリソース最適化につなげている。
ベルクは、埼玉・群馬を中心に関東地方で148店舗を展開する食品スーパーマーケットチェーン。企業の根幹を担う財務経理部では、月次・四半期・年次の決算業務やグループ会社の管理など多岐にわたる業務を行っているが、その進捗管理が長年の課題だった。
従来、同部門の業務進捗は紙やExcel、Googleスプレッドシートを組み合わせて管理していたが、タスクの増加に伴いシートが巨大化・煩雑化し、情報が分散していた。担当者が目視で確認する必要があり、更新作業の手間から業務が属人化し、タスクの抜け漏れや遅延が発生する要因となっていた。以前利用していた別の業務フローシステムも、フロー作成の手間や期日設定の難しさなど運用上の課題を抱えていた。
旧システムのサービス終了に伴い、新たなツールの選定に着手。限られた期間での移行が求められる中、旧システムのタスク情報をCSV形式でインポートできるデータ互換性の高さと、それに伴う移行スピードの速さを評価し、mfloowの採用を決めた。業務を止めることなく、約1カ月で新基盤への切り替えを完了している。
mfloowの稼働により、各タスクの進捗状況がリアルタイムで可視化された。遅れが生じている業務を即座に把握し、迅速にフォローできる体制が整ったことで、決算業務の早期化につながった。また、ダッシュボード機能で担当者ごとの業務量や未完了タスクが一目で把握できるため、特定のメンバーへの業務集中を解消するなど、適切な人員配置と生産性向上にも寄与している。遅延しやすい業務の傾向分析も可能になり、継続的な改善に役立てている。
今後は、現在も一部残っているチェックリスト業務などを順次mfloowへ移行する方針。財務経理部門のあらゆる業務を一元管理できる「標準業務基盤」を確立し、組織のガバナンス強化とさらなる生産性向上を目指す考えだ。
ベルク 執行役員 財務経理部長の須川氏は、「mfloowへの刷新は、属人化している業務を標準化するデジタル化の一環だ。決算早期化と業務負荷の可視化により、持続可能な体制を構築できた。これは社員の健康で幸せな生活を支える土台となる」とコメントしている。